前書きって、何を書いたらいいの?
電子書籍が普及した昨今。個人でも手軽にセルフ出版ができるようになりました。
しかし、本文を書くことに苦心する人も多いでしょう。
本記事では、まえがきの書き方について解説します。
ビジネス書向けに書いていますが、広く実用書に応用できますよ。
まえがきの役割とは
まずは前書きについて、簡単に整理しましょう。
前書きとは
まえがきは、冒頭に書く言葉。序文やはじめにとも書きますね。
書籍であれば、本文前に付けます。
全体に言及しつつ、本文とは独立した内容になります。
前書きを書く意味
実は前書き、最重要かつ書くのが一番難しい部分です。
なぜなら、読者に「もっと読みたい!」と思わせる必要があるから。
前書きに魅力がないと、読まれません。
特に電子書籍であれば、前書きはサンプルで読めるでしょう。
もし読者が惹かれなければ、購入されません。サンプルを読まれて終わりです。
まえがきは、購入の決定打であり本書への期待を高める場でもあります。
本文以上に、気を配って書きましょう。
前書きに何を書けばいいのか
後書きを書くコツは「この本なら私の悩みを解決できる!」と思わせること。
読者に必要性を感じてもらう必要があります。
具体的に書く内容は、次のとおりです。
- 読者が共感できるお悩み・提案
- 世間での常識・一般的な通説
- 「実は…」で始まる新事実
- 実現するためのカラクリ
- 駄目な私にもできた
- 本書の概要
- 読者にどんな変化が訪れるか
- 「本書を読んで、変化を得よう!」という誘い
上記すべてを書く必要はありません。内容によって、適宜書き分けてください。
読者に読む心構えをさせます。イメージとしては、商品説明文に近いでしょう。
セールスライティングを学ぶと、より上手に書けますよ。
実例付|まえがきの書き方
前書きは、どのように書けばよいのでしょうか。
拙著「占いライターのなり方」で書くとして、例文を作成しました。
同著の前書きとは異なりますので、よろしければ読み比べてみてくださいね。
ザックリと内容を知りたい人は、こちらの記事を参照してください。
読者が共感できるお悩み・提案
まずは読者の興味を引きます。共感できる内容を書きましょう。
読者が共感できる悩みを書くことで「この本なら私の悩みを解決できるかもしれない」と思わせます。
読者が共感できる提案を書くことで「この本なら私の望みを叶えてくれるかもしれない」と思わせます。
悩みは具体的な方がよいですが、「あるある」くらいで構いません。
例
・占いはできないけど、占いを仕事にしたいと思いませんか
・占いを仕事にしたいけど、占い師になるのは不安と思っていませんか
世間での常識・一般的な通説
世間一般の認知を書きます。
読者の想像や状況に沿うような、共感できる内容がよいですね。
例
・「占いの仕事」といえば、占い師が一般的ですよね。
「実は…」で始まる新事実
読者が知らない事実を書きます。
前出した世間の常識を大きく破ることで、読者の期待に答えるのですね。
例
・実は「占いライター」という仕事があります。
実現するためのカラクリ
その新事実を叶えるための、カラクリを書きます。
本書で提案するノウハウやメソッドの紹介です。ただし、概要に留めておきましょう。
例
・占いライターなら、占いができなくても仕事ができます。
駄目な私にもできた
駄目な自分の例を入れることで、「私にもできる!」と読者に思わせます。
再現性があるように、見せるのですね。また「こんな人にもできるんだ」と読者の心理ハードルを下げます。
また、劇的な変化を入れることで「こんなに効果があるのか」と期待させます。
例
・高卒で文章力を習ったことのない私にもできました。
・本ノウハウを実践したことで、一年で人気ライターになれました。
本書の概要
本書の全体像を書きます。
どんな本なのか理解することで、読者がロードマップを理解できるでしょう。
読者が知りたいであろう部分に触れておければ、よりよいですね。
例
・本書では「独学で占いライターになる方法」を解説。仕事の種類から選び方、占いライターとして稼ぐ方法も紹介します。
読者にどんな変化が訪れるか
読後に読者が得られるものを書きましょう。
読むからには、読者には何かしらの「目的」があります。その目的が満たされるよう、具体的な状態で書くことがコツです。
例
本書のノウハウを実践すれば、あなたも明日から占いライターになれますよ。
「本書を読んで、変化を得よう!」という誘い
本文に入っていきましょう、という繋ぎの部分です。
人や本によってノリが違うので、自分の温度感に合う誘い方がよいでしょう。
例
・占いライターになる用意はいいですか? 覚悟がある人だけ続きを読んでくださいね。
・ではまず「占いライター」について知るところから始めましょう。
前書きを書く時のコツ
私は前書きを最後に書きます。
内容から逆算して決めた方が楽だからですね。
前書きと内容が異なっていれば、読者は困惑します。著者にそのつもりがなくても「騙された」「思ってたのと違う」と思うでしょう。
読者の不満は、悪い口コミやレビューに向かいます。評価や購読に関わる部分なので、低評価は避けたいところ。
本文と齟齬がないよう、私は最後に書いているのです。
また、読者へのプレゼンテーションとして前書きを書いています。
読者は本書の内容を知りません。だから「あなたにはこの本が必要なんですよ!」と、言葉を使って説得するのですね。
ただ書くのではなく、読者に魅力を訴えるように前書きを書いてくださいね。
プレゼンテーションとしての前書きで読者を引き込もう
前書きには、次の内容を書くとよいでしょう。
- 読者が共感できるお悩み・提案
- 世間での常識・一般的な通説
- 「実は…」で始まる新事実
- 実現するためのカラクリ
- 駄目な私にもできた
- 本書の概要
- 読者にどんな変化が訪れるか
- 「本書を読んで、変化を得よう!」という誘い
売り込みと言えば、心象が悪いかもしれません。
しかし本書を読む意味が読者に伝わらないと、せっかくの良書でも読まれないのです。
ぜひプレゼンテーションするつもりで、読者に訴えてください。
なお、セールスライティングを学んでいると、前書きは書きやすくなります。
てっとり早く学びたい人は、上記を頭に入れて、実用書を読んでみてください。
「こういう風に書けばいいのか」と分析でき、書き方が学べるでしょう。
ぜひ惹きつけるような、力強い前書きを書いてくださいね。
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