「作品テーマとは?」世界一簡単な作り方と見つけ方、捻り出し方まで

「この作品のテーマは何ですか?」

創作をしていると、よく耳にする質問ですよね。

でも多くの人が、あまりテーマを意識せず書いているかと思います。
実際私もテーマが何かを知らずに、「そんなもんねーよ」と悪態つきながら書いていました。

しかし、テーマは絶対必要です。その重要性を知り、私は創作方法が大きく変わりました。

本記事では、テーマの重要性と世界一シンプルなテーマの作り方をご紹介します。

目次

テーマとは?

テーマとは「この作品で言いたいこと」と表現されがちです。
でも言いたいことなんて、正直ないんですよね。

ただ閃いたアイデアが面白かっただけで、「別にテーマなんてない」「書きたかっただけ」という人も多いでしょう。

しかし、閃いたからには「何か」あります。その「何か」を見つけましょう。
「何か」とは、閃いたアイデアの面白みだったり、伝えたいメッセージだったりします。

「何か」が掴めないということは、作者自身「この話の何が面白いか把握できていない」ということです。
何が面白いかわからなかったら、説明できないですよね。

作者の感じた「面白み」を作品で表現できないと、読者は「この話の何が面白いか」を理解できません。

結果「思ってたのと違う」と言われたり、「駄作」と呼ばれます。
こんなの悲しすぎますよね。

「この物語はココが面白いんだよ!」と伝えるためにも、作者自身しっかりとテーマを把握しておきましょう。

書けば自然と作品のテーマは見つかるのか?

中には「書きながらテーマを見つける」タイプの人もいるかもしれません。
否定はしませんが、テーマは最初に把握しておくことをオススメします。

なぜなら、書く間に話がブレるから。

書いているうちにアイデアがドンドン出て、ドンドン話が変わった経験、あなたにもありませんか?
筆の赴くまま書いていると「何が書きたいんだっけ?」と物語を見失いがち。

せっかくのアイデアも、何が面白かったのかわからなくなります。
素晴らしいアイデアが凡庸に思え、書くのを辞める。こんな惜しいことはありませんよね。

テーマは途中で変えても構いません。
ぜひ気持ちが熱いうちに、テーマを見つけておきましょう。

テーマの見つけ方

テーマを探す時は、問答法を使います。
ひたすら「なぜ」と自問しましょう。

まず「この作品が書きたい!」と思った発端があるかと思います。
その発端を、ひたすら「なぜ」で掘り下げてください。

「なぜこの話が面白いと思ったのだろう」
「なぜ書きたいと思ったのだろう」

このよう「なぜ」を自分に投げかけてください。
すると面白いことに、何かしら答えが出てきます。
人の脳は、疑問を投げかけられると、答えを出したくなるようにできています。面白いですよね。

「どこまで考えればいいのか?」と思うでしょうが、「しっくり来るまで」と私は考えます。

世の中には思考法の本などあって、「5回繰り返せばいい」などありますが、回数には意味がない。
自分が納得するまで、ひたすら考えましょう。

さらっと書いてますが、考える作業はかなり大変です。
相当疲れるし、頭を使います。集中力がないと、答えすら出ません。

それでも考えましょう。

作者のあなたがこのアイデアの面白さを発見できなかったら、誰がこのアイデアの面白さを伝えるのでしょうか?
それくらいの自負を持って考えましょう。答えは作者の頭の中にしかないのですから。

人によってはスンナリできるかもしれないし、時間がかかるかもしれません。
しかし書いてから「なんか違った」となるよりは、はるかに時間も労力も短縮できます。

後から変えてもいいので、ひとまずテーマを決めておきましょう。

テーマの使い方

テーマが決まったら、それに沿って物語を組み立てましょう。

死刑について書こう!」と思ったとして、「必要悪がある」という結論に至ったとします。
もし殺すかどうかの決断を迫られたら、どうするか。

「必要悪がある」話なのだから、殺す必要があります。

殺す殺さないで議論を重ね、ここで「いやーん可哀そう!」なんて話を放棄したらどうなるでしょうか?
今までの話は何だったんだ!」って総スカンを食らいますよね。

しっかりしたテーマがあることで、物語が大きく外れることを防げるのです。

もし考えたテーマがしっくり来なかったら、もう一度考えてみましょう。
「死刑制度の何に興味を抱いたのか?」もう一度自問してみてください。

例えば「法律で人を殺せるって怖い」という結論が出たら、「死刑以外で人を殺せる法律ができた」など、話を発展することができます。

「死刑制度について書きたい」という思いは同じでも、全く別の話ですよね。

また「必要悪がある」というテーマは、何も死刑だけとは限りません。
世の中、必要悪はたくさんあります。

よく知らない死刑制度について調べる必要がなくなったり、得意なジャンルで書くことだって可能です。

テーマを明確にすることで、よりテーマが引き立つ物語が書けるようになりますよ。

テーマがない場合の捻りだし方

でもこんなことってありませんか?

  • 美麗なイラストを見て「こんなキャラが主人公の作品が書きたい」と思った
  • 好きな映画があって、あの名場面を再現したい

内容的なことではないので、確かにテーマは見つけにくいでしょう。

そこでアイデア別のテーマの捻り出し方をご用意しました。

キャラ先行なら「逆算させる」

書きたいキャラがいるなら、キャラから内容を逆算します

例えば「日本刀持った女子高生のイラスト」を見て惚れ込んだとしましょう。

  • なぜ日本刀を持っているのか?
  • どうして女子高生なのに戦うことになったのか?

ビジュアルから、一つずつ分解していきましょう。

例えば「異世界から妖精がやってきて『助けて』とお願いされた」とします。
なぜOKしたのでしょうか?

純粋に正義感なら、「妖精を助けてあげる」がゴールでしょう。

しかし「頼まれた時、隣に好きな子がいて断れなかった」としたら?
妖精を救うより「いかに好きな子に嫌われずに戦いから逃れるか」に主人公の目的がすり替わると思います。

一気に見える物語が変わってきませんか?

このように一つずつ逆算させることで、物語やテーマが少しずつ見えてきます。

シーン先行なら「どうしたら映えるか」考える

「○○の映画みたいなシーンを入れたい!」という要望。
監督志望者に多く、シーン発端で映画を組み立てます。

入れたいシーンがある時は、どうやったらそのシーンが引き立つか考えましょう。
まずはそのシーンが、どんなシーンか考えてください。

例題として、タイタニックの舳先のシーンを考えてみましょう。

あれって恋の喜びを表しているシーンだと思います。
つまり、結ばれない二人が結ばれたから、喜んでいるのです。

では、なぜ二人は結ばれないのでしょうか?
自由恋愛のできる現代で、結ばれない理由とは?

片方が既婚者かもしれないし、血のつながった兄妹かもしれない。
古い時代なら、身分違いの恋かもしれませんよね。

この中で、一番しっくり来たものを広げていきます。
物語を広げていき、「自分がどうしたいか」を決めましょう。

考えるとは、決めることです。
作者が決めないと、読んでる方は正解がわかりません。
読者に委ねたくなる気持ちはわかりますが、想像の余地があるのと丸投げは違います。

テーマは作者がしっかり決めてくださいね。

【実体験】テーマがない物語の末路

ここからはシナリオ学校の同期の話をご紹介します。

彼は1年間の通学期間に、1作しか書けませんでした。(大抵は2作出します)
完成自体は早かったのですが、無限修正地獄に陥ったのです。

まず最初の講評で、先生からアドバイスをもらいました。
物語根幹に関わる重要なことから、見た目の面白さを引き立てるための表面的なことまで様々です。

基本的に、先生が何を言ったとしても、修正義務はありません。
作者本人がアドバイスを参考に、必要と思った部分を修正するのがルールです。

しかし彼は出来る限りすべてのアドバイスを取り入れました。
ただ内容的なことは一切修正しない。
修正するのは、キャラの行動やセリフといった簡単に直せる表面的な部分のみ。
何回修正しても、根本的な問題は解決していないのです。

こうして必要ない部分をこねくり回している内に、原型がなくなりました。
本人も「より面白くしたい」しか言わなくなり、「どうしたい」を言わなくなりました。

しまいには「ヒロインには不穏な噂が流れるんです。でも真偽はわかりません。どちらにしたらいいですか?」と丸投げ。
先生に「作者はどうしたいの?」と言われた時も「面白くしたい」の一点張りです。

ある日、本人に「何が書きたいのか」問い詰めたところ、
私が書きたかったのはこんな話じゃない
先生の言う通りにしたら、こんな話になった」と逆切れする始末。

結局その作品は完成しないまま、彼はシナリオ学校を卒業しました。

もし彼にテーマがあって、「こういう話だ」と自覚していたら、本当に必要なアドバイスだけを選び取れたでしょう。
「このアドバイスは違う」とシャットアウトできたはずです。

しかし彼には本当に必要なアドバイスが選べなかった。
結果表面的な部分だけ直して、自作の面白さを見失ったのです。
こんなに悲しい話はないですよね。

ちなみに、彼は同作をほぼ隔週で提出。
必ず一言講評しなければならなかったので、1年間ずっと同じ話を読まされる身としては、本当に地獄でした。

しかし、こういう生徒は多い。
同じ作品を何回も修正するのです。

「どう直したらいいのか」がわからず、何度も修正を重ねる日々。
直す度に書きたいものが変わるから、修正に終わりがないのです。

結果直すのに疲れ、作品を放棄しがち。
何が面白いのかわからなくなり、ボツになることも。
また「自分には才能がない」と絶望し、筆を折ります。

作品を嫌いにならないためにも、テーマという筋は、最初に通しておきたいところです。

世界一簡単なテーマの作り方

とは言っても「そもそもテーマって何?」「どんな形が正解?」と思いますよね。
私自身、正解の形がわかっていませんでした。

そこで見つけた一番シンプルな形が「問い」です。

テーマを問いにして、作品内で答えを示します。
数学の証明と命題に近いイメージですね。

例題として、ロミオとジュリエットで考えてみましょう。
切り方次第で、本作はたくさんのテーマがあるでしょう。ここではあくまで一事例として捉えてくださいね。

例えば「仲違いする両家の子供たちが恋に落ちたらどうなるか?」と問いを立てます。
答えはどうでしょうか?
命を捨ててまで結ばれようとする」が本作では描かれていますよね。

別の視点として「恋のためなら、どこまで自分を捨てることができるか?」と問いを立てたとします。
何でも捨てることができる、命までも」のような答えになるかと思います。

いくら「テーマ」と口で言っても、作中で描かれていないと実感できないですよね。

最初にテーマとして問いを立て、答えとしてどんな物語を書けばいいかを決めると、グッと「どんな話なのか」が掴みやすくなります。ぜひ試してみてくださいね。

まとめ

創作において、テーマは非常に重要です。
書きたいものの指針になるし、作品自体を把握しやすくなります。

しかし、テーマの重要性や作り方は意外と知られていません。
小説ハウツー本やシナリオ学校では「教えられない領域」として、触れないことも多いです。

私はテーマを意識してから、作品作りが楽になりました。
本内容は私の実体験ベースですが、誰かの参考になれば幸いです。
もし他にテーマの作り方があれば、ぜひ教えてくださいね。

※テーマを作った後は、下記作業をオススメしています。あわせて読んでみてくださいね。

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この記事を書いた人

小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。

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