自分の話も電子書籍にできますか?
最近こんなお問い合わせが多いです。私が電子書籍を多数作っているからでしょう。
創作・自伝・実用書。私は話を聞いただけで、商用として通用するか大体わかります。
ほぼ経験則ですが、着眼点がわかれば参考にしやすいでしょう。
本記事では、あなたのネタが商用として通用するかどうか見極める3つのポイントをご紹介します。
チェックを終えた頃には、あなたのネタが本にできるかもしれませんよ。
ちなみに「まったくネタがない!!」という方は、下記の記事が参考になるかもしれません。
ブログ、YouTube、スキルシェアサービスも踏まえ、ネタ出しできます。
事前準備
本記事を読み進める前に、ぜひ次の準備をしてください。
あなたが「本にしたい」と言ったら、私は「どんなのですか?」と聞きます。
あなたは私に説明するつもりで、どんな本が書きたいかを教えてください。
以上の回答として、話を続けます。
可能なら、録音・録画してほしいですね。紙に書いてもいいですが、一発勝負で口頭説明した方が、よりリアルな結果がわかります。
そして本記事を読み終えてから、見比べてみてください。
以上の準備をすることで、本記事の内容をより深く理解できますよ。
3つの着眼点
あなたの書きたいイメージは固まりましたか?
では、次の3つをチェックしてみてください。
- つまり何の話か
- 書く理由が自分本位になっていないか
- 似たような本があるか
一つずつ解説していきます。
なお、録音したと仮定して解説するので、その点ご了承ください。
つまり何の話か
多くの作者が、自分の書きたいものを理解できていません。
作者が理解していないものを、読者が理解できるでしょうか。
大抵「意味わからない」と敬遠するでしょう。
「考える余地を与える」の大義名分で、読者に結論を丸投げする作者がいます。
読者はそんなに暇じゃありません。その結論や答えが知りたくて読んでいるのに、丸投げされたら心象最悪です。
さて、録音したあなたの説明はいかがでしょうか?
その説明を聞いて、何の話か理解できるでしょうか?
大抵が支離滅裂で、何のことだか理解できないかと思います。
理解できたとしても、「それで?」と思う人もいます。
理解はできても響かないことが多々あるのですよね。
もし「だから何なの?」と説明後に言われたら、あなたは何と答えるでしょうか?
もし答えられないようなら、執筆を諦めた方がよいでしょう。
読んだ後に「時間を無駄にした」「得られるものがなかった」と、読者の不興を買いそうですよ。
書く理由が自分本位になっていないか
多くの人が「書きたいだけ」で書いています。
1の原因にも共通しますが、要は自分のために書いているんですよね。
でも、そんな作品って読みたいですか?
もしあなたが友達に「自分のアウトプットでブログ始めたの。読んで!」と言われたら、読んであげますか?
その時は読んでも、継続的な閲覧はしないでしょう。
それがまったく知らない、ただの他人の話だったら?
そもそも上司の自分語りでさえウザイのに、他人の自分語りなんて誰も聞きたくない。
そんな時間があるなら、島耕作を読んだ方がよっぽど人生勉強になります。
目的が「自分のため」なら、それは否定しません。
しかし電子書籍にしたい人のほとんどが「読まれたい」「売れたい」と願っています。
ただでさえ魅力がないのに、作者が好き放題に書いたらどうなるでしょう。売れないです。
しかも得るものがなかったり分かりづらかったら、いかがでしょうか。文句を言われます。
その結果「売れない」「自分には文才がない」と嘆いたり、「凡人には理解できない」「選ばれた人だけ読めばいい」と開き直る羽目になるのです。
でも本当に読んでほしいなら、読まれる工夫をすべきです。売りたいなら、売れる工夫をすべきです。
録音した音声を聞いて、読者のためになる要素はありますか?
知らない人の自分語りは、誰も読みたくない。
自分が陥っていないか、注意してくださいね。
似たような本があるか
2の自分本位が解決した場合、次に考えるのは「似た本があるか」です。
自費出版やセルフ出版でなく、商業出版(紙の本)で出ているものがよいですね。
「先手を越された!」と思うかもしれませんが、ご安心ください。
似たような本があることは、2つのメリットがあります。
1、売れる可能性が高い
すでに出版されているということは、売れる要素があるということ。
つまり売れる可能性が高くなります。
出版は慈善活動ではありません営利を求めます。
つまり、営利的に問題ないと判断したから、出版しているのです。
プロが企画し、売れる見込みがあるから出版する。その恩恵に便乗する形ですね。
ただし、出版社の目論見が外れて、売れないこともあります。
そんな時は、あなたの本も売れないでしょう。
なるべく売れるモデルを探すか、売れない覚悟で出してみましょう。
世の中、何が売れるかわからない。ワンチャン売れるかもしれませんよ。
2、完成イメージが湧きやすい
多くの人が「どう書けばいいかわからない」と悩みます。
ネタはあるのに、完成イメージが浮かばないのですね。
そんな時、見本になる本があると便利です。
「どのようにすべきか」が明確になり、夢が目標になります。
章立てなどを参考にすることで、自分のイメージを具体的な計画に落とし込めるでしょう。
全体像さえ固まれば、あとは書くだけ。行動するだけです。
類似本とあなたの本は、まったくの別物です。
構成を参考にしても、同じ本にはならないでしょう。
また、読者は常に新しいものを求めます。しかし、全く新しいものには心理的に抵抗がある。
「見たことあるけど、ちょっと違う。何か新しい」
まずはこのレベルを目指して、自分の本を書いてみてくださいね。
私が判断する2ポイント
最後に、私が実際にアイデアを聞いた時に判断する2ポイントをご紹介します。
1、もっと聞きたいと思うか
説明を聞いて、興味をそそられるか。
これが非常に重要です。
「面白くない」ものは、それ以上聞きたいと思えません。
- 説明が下手(まとまってない)
- 内容が掴めない
- 何が面白いか伝わってこない
- どこかで聞いたような話
などなど、面白くない理由はたくさんあります。
主な回避テクには、以下がありますね。
- 新情報を入れる
- 聞いたことがない話
- 想像できないような展開を入れる
しかし、これはあくまで「私にとって」です。
誰かが聞いたら、面白いかもしれません。見せ方を変えたら、面白いかもしれません。
ただあなたが誰かに説明して「それで?」と言われないようなら、読まれる望みは薄いでしょう。
2、金を出せるか
アイデアを聞いた時、私が一番に考えるのは「金を払っていいか」です。
面白くても、買うかどうかは別ですから。
買うということは、以下の意味を持ちます。
- 読むのに時間を使う
- 他に買うものを諦めて、あなたの本を選ぶ
そこまでの価値をもって、初めて商用として通用するのです。
いかに面白くても、売れなければお金になりません。購入されないと読まれません。
また、世の中には「それなりに良かったけど、値段に釣り合わないな」と思う作品が多いですよね。
あなたの作品もそう思われないよう、「お金を出しても読みたい」と読者に思ってもらえるような本作りを心がけてくださいね。
何が売れるかは結局わからない
偉そうなことを言っていますが、私が見るのはあくまで「商用として通用するか」。
売れるかどうかはわかりません。
売れるものがわかるなら、多くの人が成功していますよね。
「世の中テスト」と言われるように、発表しないと反応が掴めないものです。
しかし、読者が読むのに「お金を出してもいい」と思えるなら、その本は売れるでしょう。
だからこそ、売れる仕組み作りとして「企画」や「見せ方」が重要なのですね。