プロットって見たことない…
小説やシナリオの勉強をしていると、よく耳にするプロット。
聞いたことはあっても、プロットを見たことがないという人は多いのではないでしょうか。
正直な話、私もプロットを完全には理解しきれていません。
プロの書くプロットが見たくて、様々な書籍を買ったりシナリオライターの授業を受けたものです。
しかし、とんでもなく簡単に、世界的大作家のプロットを見ることができました。
本記事では、世界的小説家のプロットを読む方法をご紹介しますね。
どこでプロットが見られるか
意外なことに、目次にプロットが書いてありました。
例えば、「ハックルベリー・フィンの冒険(上) 」なら、次のとおりです。
第一章 ハックを真人間にする/ミス・ワトスン/トム・ソーヤーが呼びにきた
引用:光文社古典新約文庫「ハックルベリー・フィンの冒険(上)」 訳:土屋京子
厳密には、プロットというより箱書きですかね。
もちろん目次の項目だけで、内容は理解できません。
しかし読み進めると、まさにその通り。ネタバレもいいところです。
箱書きにせよプロットにせよ、滅多に見られないものではありません。貴重なことには変わりないでしょう。
プロットを使った勉強方法
おすすめは「読んだ後に自分なりにプロットを書く」こと。
自らプロットを書き起こすことで、以下の学びが得られます。
- 物語の概要(流れ)を掴む
- 物語のキーポイントを掴む
- 章ごとの役割を知る
可能なら目次と自分で書いたプロットを比較してみましょう。「プロがどのように書いたか」を知ることで、自分にない視点を学ぶことができます。
プロットが掲載されている小説作品
ここからは、目次にプロットが掲載されている本を紹介します。
ただし、次の点は予めご了承ください。
- 出版社によって、同じ作品でも掲載されていない場合がある
- 目次ではなく、扉絵や章の冒頭に記載されることもある
本ブログ(かけない.com)では、私がチェック済の本だけを掲載していきますね。
トム・ソーヤーの冒険/ハックルベリー・フィンの冒険
マーク・トウェインの著作は、プロット掲載が多いですね。
オススメなのが、光文社新訳文庫。美しい扉絵とともに、プロットが味わえます。
まずはトム・ソーヤーの冒険から。エピソードがぶっ飛びすぎてて面白いです。
ハックルベリー・フィンの冒険は、トム・ソーヤーの冒険の続編。
最初のグレート・アメリカン・ノベルとされる古典作品ですが、主人公ハックの軽妙な語り口スタイルで、スラスラ読めます。
ちなみに、前作を読んでいないと、この面白さを十分に理解できません。ご注意を。
両作ともかなりの長編なので、途中で内容を忘れがち。プロットは、振り返りにも役立ちますよ。
十五少年漂流記(二年間の休暇)
ジュール・ヴェルヌ作品は、本当にスゴイ。難しい内容なのに、スラスラ内容が入ってきます。
よく見たら、PREPのような表記がありました。理解のしやすさは、この文体のおかげですね。
動植物やサバイバル生活など、とてもリアル。なのに作者のヴェルヌは旅行経験なし。
書物からの調査だけで書いたそうですが、到底信じられません。圧倒的な情報量に、ひたすら感動します。
本作はプロットだけでなく、文体や表現も勉強になるでしょう。
ちなみに、原題の直訳が「二年間の休暇」であり、両者とも内容は同じです。
八十日間世界一周は、これから読む予定! 今から楽しみです。
ガリバー旅行記
言わずと知れた、ジョナサン・スウィフトの代表作。幼い頃に、慣れ親しんだ人も多いでしょう。そんなガリヴァー旅行記にも、しっかりプロットが載ってます。
本日紹介した中では、一番詳しく載っている印象でした。
ちなみに、私は難しい文体が苦手。なので児童向け文庫で読んでます。
難しい本が苦手な方は、ぜひ岩波少年文庫をお試しください。
ドン・キホーテ
最後に、変わり種を紹介します。
ドン・キホーテにプロットは書いていません。しかし目次でネタばれ。目次のタイトルが、物語の進行をそのまま表しています。
自分でプロットを作るなら、練習として最適な作品でしょう。
「どんなエピソードがあったか」をまとめると、プロットが作れますよ。
プロットは目次や扉ページに載っている
私が本記事の事実に気づいたのは、ガリバー旅行記を読んだ時。作家によって、プロットが掲載されていることに気づきました。
なので、本記事で紹介した作家であれば、プロットが載っている作品が多いでしょう。ぜひお好みの作品を探してみてください。
ただ、中には「思っていたプロットと違う!」と思う人もいるでしょう。それはゴメンナサイ。
しかし、これぐらいのプロットが自力で書けるようになれば、物語作りに困らないでしょう。
名作の物語展開を掴むことができるので、ぜひ試してみてくださいね。
推薦図書:実用書の構成とプロット: ~「黒髪美少女はなぜ戦うのか?」より~
私が電子書籍を作る時に書いたプロットを全公開しています。正直見せられる代物じゃありません。しかし自分修行中に一番見たかったのも事実。なので恥を覚悟で丸出ししています。