自伝が書きたいけど、どんな風に書けばいいんだろう?
一口に自伝といっても、内容は多種多様。
あなたの書きたいものに合わせた形式をとるのが最適です。
本記事では、自伝の種類と特徴について解説しました。
読み終えると、自分の想いに最適な作品がわかりますよ。
自伝を書く前の大前提
自伝を書く時に考えたいのが、「何のために書くか」。
自伝を書く目的を明確にしましょう。
「自分の人生を知ってもらいたい」なら、記録性を。
「自分の学びを活かしてほしい」なら、物語性を重視させます。
詳細はこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
自伝の種類
いわゆる自伝には、次の五つがあるかと思います。
- 自分史
- エッセイ
- 自伝
- 自叙伝
- 私小説
記録性と物語性と配合率とともに、一つずつ見ていきましょう。
自分史
人生全般を一覧にしたもの。
自分の歴史を書くというイメージでしょうか。
自伝類の総称としても使われますね。
最優先は記録性。書かれることはすべて真実です。
自分の歴史を書くので、物語性はありません。
補足の年表として、他作品に添えられることも多いですね。
よく文豪の本の巻末には「年+その年の出来事」が載っていますよね。
あれぐらいになれば、一種の作品として使用することもできるでしょう。
自分史はあくまで「補助的なもの」と思うと良さそうです。
他作品の巻末に添付することで、作品の説得力がアップしますよ。
エッセイ
日々感じたことをありありと綴る、日記のようなもの。
随筆とも呼ばれます。
エッセイは記録性が高く、一瞬に特化しているのも特徴。
例えば「美味しいみかんを食べた感想」などのように、みかんを食べた瞬間にフォーカスして、自分の想いを綴ったりもします。
「自分がどう思ったか」をメインに出来事を綴るようなイメージでしょうか。
物語性は必ずしも求められませんが、あると読みやすい。
一連の流れがあることで読みやすさがアップします。
作品として書く場合は、独自の視点や切り口が重要。「どこかで読んだことがある」と思われたら、「次も読もう」とは思われにくい。
「ここでしか知れない」「この人だから読みたい」そう思われるように、工夫してみてくださいね。
自伝
「自分のこれまでを体系的に綴ったもの」とでも言えましょうか。
いわゆる自伝には、広い意味が含まれるので、定義が難しいです。
記録性を優先しますが、ある程度の物語性もあります。
記録性のためには、物語は無視することも。
あくまで「実際あったこと」をメインに語ります。
取り扱う時間軸は長く、自分の人生全体について言及することが多いですね。
しかし「これまでの人生」に対してなので、「これから先の人生」については、原則書けません。
夢、展望、目標は可能ですが、未来のことはNGです。
自伝は「これまであったこと」を、体系立てて語る作品です。
自叙伝
自叙伝は、これまでの人生をドラマチックに語るものです。
自伝に似ていますが「ドラマチックに」の部分が異なります。
しかし「ドラマチック」とは、どういうことなのでしょうか。
簡単にいうと、「面白おかしく」に尽きるでしょう。
完成イメージとしては、「朝ドラ」や「勝者の作った歴史」に近い印象です。
自叙伝は、娯楽要素が強い。物語性が優先されるため、都合が悪い部分は変更します。
記録性は低いし、記録の信憑性は若干低め。
「作者が主人公のフィクション作品」ぐらいに思った方が、作りやすいかもしれませんね。
自伝同様、自叙伝も「これまでの人生」に対して書くので、未来については書けません。
もし「事実を元にしたフィクション」と割り切るのなら、何を書いても問題なし。
ただ、やりすぎると自叙伝ではなくなるので、ご注意くださいね。
私小説
「自分をベースに綴る」という点においては、私小説も自伝に入るでしょう。
私小説の特徴は、自分を土台として主人公を作り、その主人公が感じたことを物語ります。
自分と主人公は、全くの別物。
あなたではなく、「主人公が、どのような人生を語っていくか」が重視されます。
物語性は最優先。読んでる方が楽しめるように書きましょう。
記録性はほとんどありません。あなたの思い出を、下地程度に使うぐらいです。
主人公は「あなた(作者)」ではないので、私小説では「主人公の未来」を書くことも可能です。
「もし自分がこういう人生を送っていたら」「あの時、人生こうだったら」を綴るのもいいですし、自分の人生のエピソードをもとに夢物語を書くこともできます。
私小説は小説なので、自伝とは少し違う趣があります。文学賞や公募にも出しやすいでしょう。
自伝には色々な種類がある
一口に自伝といっても、ざっと以下の5種類があります。
- 自分史
- エッセイ
- 自伝
- 自叙伝
- 私小説
何がいいかは、あなたの書きたいもの次第。記録性と物語性の優先度を考えると、決めやすいでしょう。
書きたいネタに合わせて、最適な形態で書き上げてくださいね。