本記事は以下の方にオススメです。
- エッセイストになりたい
- 公募にエッセイを投稿したい
- エッセイ集を出すのが夢だ
エッセイを書くのは案外難しい。普通に書くと日記になり、読んだ方は「ふーん」と思うだけ。かといって文学性に走るとつまらない文芸になり、小説に劣る。日常感を残しつつ文学感があるエッセイは、そう簡単に書けない。
それなのに、エッセイの書き方に関する指南書はほぼありません。調べるとブログ用やWebライター向けだったりと、エッセイに特化した本は見つけにくいんですよね。
そんな中、エッセイの書き方がよくわかる良書を見つけました。本記事では「エッセイ脳」についてレビューします。
なぜエッセイを書くのは難しいのか
そもそも、なぜエッセイを書くのは難しいのでしょうか。近年では個人ブログが流行し、SNSで気軽に情報発信できる時代です。誰もがエッセイのようなものを気軽に書いています。
公募や誌面に載るようなエッセイは、ただの個人の日記ではありません。著者の日常に触れつつも、誰もが共感できるような普遍性があります。
エッセイには独特な雰囲気があり、その「独特な雰囲気」を出すのが難しい。ネタ選びや話のもっていき方、公募であればテーマとの兼ね合いなど、実は考える要素が多いのです。
エッセイ脳とは
本記事でオススメしたいのが、エッセイ脳。エッセイスト・岸本葉子さんの著作です。岸本さんは俳句・闘病・婚活など様々なエッセイ集を上梓しています。
エッセイの書き方という本もありますが、私が先に読んだのはこの本。この一冊で、知りたいことは十分に知れました。
最初に表紙を見た時800字と書いてあり「短いのでは?」と思いました。しかし、だいたいのエッセイは原稿用紙2~4枚程度。むしろ適量です。
「何から読んでいいかわからない」「間違いない一冊が読みたい」という方は、ぜひ本書を読んでみてください。
私は小説・シナリオなど、各種文章の書き方入門書を多数読みましたが、「エッセイ」においては本書が最強です!
エッセイ脳のいいところ
私が本書を読んで感動したのは、以下の二つです。
テーマとの付き合い方
公募にはテーマが付きものです。「差別化したい!」と思って捏ね繰りまわすのですが、結局尖り切れていない、変な文章になりがちです。
本書を読んで「テーマには<ある程度の落としどころ>がある」と知って目から鱗。どんな作品が求められているかが大体把握できるので、書くべき内容も選べるようになりました。
ネタ選びも楽になったので、本書を読んで本当に良かったと思えました。
日記にならない方法
エッセイと日記との差別化には、何が必要か。本書では構成・内容ともに具体的な説明がされています。
私が一番助かったのが、話の組み立て方。起承転結の「転」が大事であり、他の文章とは組み立て方が違うと知りました。確かに、小説・実用文とは全く違う。そして、この違いは実際に書いている著者だからこそわかることだと知りました。
例として著者のエッセイが添えられているので、分析しながら読めるのもGood。より学びを深められます。
エッセイ脳の悪いところ
概ね満足な本書ですが、1点だけ悪いところがあります。あくまで個人の感想としてお読みください。
説明がわかりづらい
なんというか、どうにも説明がわかりづらい。わかっている人が読まないと、理解できない説明方法だと思いました。
たとえば、第1章で「テーマと題材の違い」を解説しています。本書全体に関わる、重要な話です。丁寧に説明しているのですが、肝心な部分が理解しづらいと思いました。
私も手元に本書があるのですが、調子いい時しか読みません。所々わかりづらい箇所があり、読んでも理解できないと思うからです。
個人的には、小説やライターとして文章に触れているから理解できているだけで、もし数年前に読んだら全然理解できなかっただろうと思います。
私がバカなだけかもしれません。しかし理解しようという意欲がないと学びづらい本だと思いました。
エッセイの書き方を学ぶなら「エッセイ脳」がオススメ!
エッセイ特有の雰囲気や様式美など、エッセイ脳を読めばエッセイの細かい部分も学べます。エッセイストになりたい方、いつか雑誌に寄稿したい方には、大いに役立つでしょう。
本格的なエッセイに挑戦したい方は、ぜひ読んでみてくださいね。
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