アニメから学ぶ「タイムリープ小説の書き方」|構成、回数など

最近アニメを見まくっているのですが、タイムリープものが多いと感じました。私が見る作品が偏っているだけかもしれませんが、見ているうちに共通点があると感じました。

本記事ではアニメから学ぶ「タイムリープ作品の書き方」をご紹介します。

アニメから学んでますが、小説・シナリオ・漫画など幅広い創作で使えます。

本記事では「過去に戻って、理想の未来に作り替える」物語を想定しています。同じゴールの物語ならタイムループ作品にも利用できます。

▼用語と物語の特徴などの解説はこちら
【ざっくり解説】タイムリープとタイムループの違い|参考作品あり

目次

タイムリープを書く時の流れ

タイムリープを書く時の流れは以下の通りです。

  1. 最初の不正解ルート(1)、最後の正解ルート(10)を作る
  2. 1と10との間に何が必要か洗い出す
  3. キーとなるエピソードや脇役を作る
  4. タイムリープ回数を決めて、回収エピソードを散りばめる

※(1)や(10)は、物語の進み具合の目安だと思ってください。

これだけだと何のこっちゃわからないですよね。一つずつ解説していきます。

最初の不正解ルート(1)、最後の正解ルート(10)を作る

まずは最初(初回のタイムリープ前/自然な状態)と、最後(タイムリープしなくてもよい状態/理想)を決めます。

一気に両方考えるのが難しい場合は、次の工程に進んでください。

タイムリープ作品の醍醐味は「ダメだった最初の状態から、正解に向かって奮闘する」ことです。だから最初(ダメな状態)と最後(理想)を先に考えると、以降のステップが考えやすくなります。

1と10との間に何が必要か洗い出す

正解と不正解の間には、何が足りないか考えましょう。

タイムリープ前は、何かが足りなかったor障害があったから、嫌な結果になったのです。だから主人公は足りない何かを埋めるためor障害を取り除くために、タイムリープして奮闘するわけですね。

出来事なのか、人物なのか、本人の気づきなのか。何個あっても構いません。ひとまず自由に考えてみてください。

考えに詰まったら一旦、次の工程に進んでください。

もし可能なら、ここでタイムリープの失敗条件も決めておきましょう。ここは絶対に変えちゃいけない(初回や途中で出てきたキーポイント)」も決めておくと便利です。

例えば強盗が逃走するとして、車はもちろんのこと、運転手を失うことも逃走失敗に繋がります。そのため車と運転手、どちらが欠けても正解ルートにたどり着けません

成功に必要な要素がわかると、やり直ししなきゃいけない(この回ではこれ以上正解に引き戻せない)ポイントが見えてきます。

キーとなるエピソードや脇役を作る

足りない何かが決まったら、どうやったら得られるか考えます。

アイテムなら入手方法、作り方。人物なら出会い方、話す内容など。

イベントの発生条件を書き出し、初回や他のパターンとの齟齬(本来はAさんに会えるのに、その回だけ理由なく不在など)が出ないか確認します。

タイムリープ回数を決めて、回収エピソードを散りばめる

回収方法が決まったら、タイムリープの各回に回収エピソードを散りばめます。

何回タイムリープすればいいか?

初心者が一番困るのは「何回タイムリープすればいいか」でしょう。極端に少ないとすぐ物語が終わっちゃうし、長すぎると物語を考えるのが大変になります。

私がアニメを見た限り、「1ミッションにつき3~4回」でした。

※タイムリープ回数なので、話数とは直結しません。

1ミッションとは

タイムリープしてまで叶えたい目的」として、1ミッションとしています。

1つが達成されても問題が全部解決しない時もあるので、「大ミッション→大ミッションを叶えるための小ミッション」といった感じで細分化されています。

シリーズや長期連載だと、作品全体:大ミッション、1クール:小ミッションといった感じです。小ミッションをさらに細分化してもOKです。

なせ1ミッションにつき3~4回?

それぞれの回の役割は以下の通りです。()内は物語の進み具合の目安です。

  1. 事情が呑み込めないまま、最初のタイムリープを経験する(0~1)
  2. タイムリープの法則性を掴み、事態を理解する(2~5)
  3. タイムリープを利用し、能動的に行動する(5~9)
  4. 最後のタイムリープに賭ける(9~10)

1と2、2と3が同時になったり、最初からタイムリープ状態で物語が始まる(説明なし/1が0になる)場合があるので、3~4回になっているわけです。

回数が違うだけで、ステップや役割は変わりません。

珍しいパターンのタイムリープもの(例)

タイムリープで御馴染みの魔法少女まどか☆マギカですが、物語がいきなり最後のタイムリープから始まっているので異質と言えるでしょう。(最高に面白いですけどね!)

特殊な事例としてはメメントもあります。以前本作を見たのですが、「save the catの法則」という本でボロクソに言われた記憶しかありません。まあ、参考にするならどうぞって感じです。

コツを押さえれば、タイムリープ作品は難しくない

複雑な構成で難しそうなタイムリープ作品ですが、順番に考えれば難しいものではありません。ただしめちゃくちゃ面倒くさいので、そういった点での苦労はあるかと思います。

ちなみに本記事で紹介した回数や役割は、あくまで参考です。本記事に縛られず、自由な発想で書いてくださいね。

おすすめタイムリープ作品

圧倒的に面白いと思ったのが、Re:ゼロから始める異世界生活(通称リゼロ)。まさに王道。人物や伏線も多く、めっちゃ考えて書いたんだろうなーと脱帽です。

未読の方はぜひ一度見てみてください。私は続きが気になりすぎて仕事が手につかなくなりました。

宮本くみこ
ライター
小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。
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