先日「タイムリープ小説の書き方」という記事を公開したら「まどマギはタイムループだよ」とのご指摘がありました。わかってましたが、まあ似たものかと思い区別してませんでした。申し訳ございません。
なんとなくタイムループはわかるのですが、タイムリープとどう違うのか。気になったので調べたら、説明が細かすぎてよくわからなくなりました。
そこで本記事では要点だけざっくりと、タイムリープとタイムループ、ついでにタイムトラベルの違いをご紹介します。
タイムリープ・タイムループ・タイムトラベルの違い
それぞれの特徴をまとめると、次の通りです。
タイムリープ
基本片道切符。過去も未来も、好きな時空に飛べる。
タイムループ
片道切符。条件をクリアしない限り、同じ時空を繰り返す。
タイムトラベル
往復切符。自分たちで好きな時空へ飛べる。
それぞれの物語の特徴を含めて、詳しく解説していきます。
タイムリープの特徴
実は一番説明が難しいのがタイムリープ。タイムループとタイムトラベル以外全部が該当するんじゃないかと、個人的には思っています。
タイムリープでは、過去も未来も、好きな時空に飛べます。ただ多くの作品では一方向だけに飛ぶことが多いですね。
タイムリープ物語の特徴
大抵は「過去に戻って歴史を改変する話」が多いですね。タイムリープすることになった経緯も偶然で、主人公が能力を積極的に活用する印象です。
多分好き勝手できるが故に、ある程度のタイムリープに制約がないと物語が締まらないのでしょう。
だから能力が限定的(必ず三日前にしか戻れない等)だったり、他者を利用しないと戻れない(自分の好きなタイミングでタイムリープできない)だったり、発動条件が難しい(死ぬなど、よほど覚悟がないと戻れない)だったりするのでしょう。
タイムリープの制約があった方が、書く時も楽だし読み手としても「どうなるんだろう」とワクワクします。
おすすめのタイムリープ作品
時をかける少女
タイトルも相まって、もっともイメージしやすいタイムリープ物語ではないでしょうか。同じシーンを何度も繰り返せるなど、自由度が高いタイムリープを実現しています。
Re:ゼロから始める異世界生活
タイムループか迷いましたが、本人が諦めればタイムループは起きない(嫌な現実を変えないまま未来が進む)ので、ここではタイムリープ作品として紹介します。
タイムリープがゲームのコンテニュー(セーブポイントまで戻る)ような感じなので、ゲームが一般化した現代では受け入れられやすいタイムリープ作品でしょう。あと純粋に面白いのでオススメ。
東京卍リベンジャーズ
タイムリープの発動条件が、今まであるようでない。過去・現在含め、同じように時間が流れていくのも面白いと感じました。
タイムループの特徴
タイムループとはゴールに辿り着いた瞬間、即スタートに戻るようなもの。同じ時間を何度も繰り返します。
基本的に1パターンのみで、時間の選択はできません。現在を過去とするか未来とするかで、過去に戻るか/未来に飛ぶかが決まります。
タイムループ物語の特徴
物語の目的は「このタイムリープから抜け出す」です。しかし2パターンの物語があります。
1つめがタイムリープそのものから脱する方法。同じ時空を繰り返しながら、ヒントを探します。
2つめが未来の改変。ゴールとする時点で嫌なことがあり、その嫌なことが起きないように過去をやり直します。大抵はこちらのパターンが多いですね。2パターンの融合型もあります。
おすすめのタイムループ作品
魔法少女まどか☆マギカ
確か能力が「魔法発動の一カ月前までしか戻れない」ので、最善解として最も遡れる過去に戻る=結果としてタイムループする羽目になったはず。タイムループとか関係なく面白いので、一度は見てほしい作品です。
全体をすぐに把握したい人は、劇場版/始まりの物語を見るのもオススメ。テレビアニメの総集編なので一気見できます。ちなみに私は劇場版でドハマりして、テレビアニメ版を即チェックしました。
タイムトラベルの特徴
タイム「トラベル」とあるように、時間旅行そのものを楽しむのがタイムトラベルです。
だからタイムリープやタイムループのような悲壮感や重苦しさがありません。
タイムマシンが登場するなど、自分たちで好きな時空を選べます。(トラブルで思わぬ時空に飛ぶこともありますが)
タイムトラベルでは歴史改変はご法度で、現代に影響を与えるような行為は推奨されません。タイムパトロールが出てくるのは、大抵タイムトラベル作品です。
タイムトラベル物語の特徴
タイムトラベル物語は、次の3パターンに大別されます。
- 純粋に旅行先を楽しむ(異文化交流)
- 旅行先でタイムマシン故障→現代に戻るため奮闘
- 旅先で歴史改変→現代が変わって大パニック
どれも娯楽色が強く、児童向け作品が多いですね。身近なSF作品でもあるので、SF初心者にも挑戦しやすいかと思います。
おすすめのタイムトラベル作品
タイムマシン
「タイムトラベルって何書けばいいの?」という方は、まず古典作品を見るのがオススメ。SFの巨匠による本作は今見ても斬新で、胸がワクワクする。「これぞタイムトラベル!」といった内容です。
映画クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望
先述した3パターンすべてが含まれた良作。野原家のドタバタに巻き込まれて見落としがちですが、タイムトラベル作品としてはまさにお手本のようです。
映画ドラえもん のび太の日本誕生
まあドラえもんという作品自体が頻繁にタイムトラベルを行っていますよね。「未来人による大規模な歴史改変」という点では、あまりない展開になっているかなと。関係ないけど、私はドラえもん映画の中で本作が一番好きです。
何であれ、時間を遡る物語は面白い
タイムリープとタイムループとタイムトラベルは、似てるようで微妙に異なります。他のサイトではもっと詳しく解説しているので、興味がある方はぜひ一読を。
しかし明確に区別するより、その奥深さを理解した方が何倍も楽しめます。それぞれの特徴を押さえつつ、物語の違いを楽しんでくださいね。
タイムリープ作品の書き方はコチラ
▼アニメから学ぶ「タイムリープ小説の書き方」|構成、回数など