独特な字体が魅力の己書(おのれしょ)。気軽に体験できるということで、筆者が実際に受講してみました。
「己書やってみた」ということで、今回は体験談をお送りします。
受講を迷っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
私が体験してきました
書道:苦手
文字:ミミズが這う系
特記事項:左利き
▼己書について知りたい人はこちら
→書道嫌いほどハマる「己書」とは|料金、教室、習い方など
受講環境
今回お世話になったのは、神奈川県綾瀬市にある「おせっかい家己書道場」。師範の大野恵さんに習いました。
実は近隣に筆者友人が住んでおり、友人宅での出張幸座となりました。
師範によっては出張幸座をしてくれるので、気軽に相談してみることをオススメします。
受講の流れ
己書幸座は、90分。初回の受講内容は、次のとおりです。
- 筆ペンの使い方
- 点
- 円相(えんそう)
- 50音(ひらがな)
- お題「ありがとう おかげさま」
筆ペンの使い方
まずは筆ペンの使い方。「こんなに初歩的なことをするの⁉」と驚きましたが、一番手こずりました(笑)
筆をインクでびしゃびしゃにしないと、文字がかすれちゃうんですよね。
筆ペンの使い方を学んだら、いよいよ書き始めます。
点
ひたすら点を書いていきます。気分は小学生の文字練習ですね。
「こんなに簡単でいいの?」と思いましたが、思うように書けず大苦戦。点がゴワゴワになって凹んでいると、講師から一言、
それでいいんだよ
不揃いは、むしろ個性。己書では味となるのです。
講師の温かい言葉を励みに、ドンドン書く。コツが掴めた時は、感動しました。
円相(えんそう)
円相とは、己書の文字の背景にある円。
「何に使うの?」と用途不明な円相でしたが、文字の中にも頻出するテクニックです。
点同様、ひたすら書いていきます。
突然ですが、私は左利きです。
時計回りがいいか、反時計回りがいいか。かなり悩みました。
しかし「どっちでもいい」とのことなので、両方トライ。私は反時計回りが書きやすいと判明しました。
「どっちから書いてもいい」なんて、普通の書道ならあり得ないことですよね。
その自由さが、本当に楽しいと思いました。
50音(ひらがな)
円相を書いたら、50音を書いていきます。
己書で文字を書くコツは、次の3つ。
- 左側を大きくする
- 横棒は右から左へ
- 止める(跳ねない、払わない)
「たったこれだけ⁉」思いましたが、本当にこれだけで己書っぽい字が書けました。
己書は書き順無視なので、左利きの私としては、とても書きやすい。
普通に逆の順番でスラスラ書いちゃいました。
一方、一緒に受講していた友人は大苦戦。
「キレイに書かなきゃ」と思うと、己書は書きにくいようです。
己書は、文字じゃなくアート。読みことは想定していません。
だから、めちゃくちゃな字でOK。好き放題に書けるので、私は楽でした。
お題「ありがとう おかげさま」
最後に、ハガキにお題を書いていきます。
今回は「ありがとう おかげさま」。
お題は、師範によって異なりますが、レベル的には同じなのでご安心ください。
- 真ん中に集約させる
- 用紙の中に収める
- 紙質の違い
という、今までになかった問題が浮上し、意外に頭を使う羽目に。
ハガキの縦横で、計2枚書きます。
特に「ハガキ横」だと縦幅が短いので、大苦戦。
書き直しをくらった時は、ガッカリしましたね。
しかし、書き上げた時の感動といったら……!
完成作品には判子と筆者サインが入るのですが、赤色が入っただけで市販品のよう!
おこがましいですが、枠に入れて飾りたくなりました。
受講後の感想
気軽に始めた己書ですが、すっかりハマってしまいました。
まずメッセージカードが自分で書けるのが嬉しい。
早速友人への御礼状に書きました。ご年配には、特に好評ですね。
しかしひらがなだけだと、バリエーションが乏しい。
漢字も書きたいので、次の幸座も即予約しました。
また、友人と一緒に受講したのもよかったですね。
終わってから感想を言い合ったり、「次、いつ受ける?」と会う口実にもなりました。
己書は、月謝制ではなく都度払い。
なので余裕のない月やお休みし、やりたい時は一気に2回受けてもOK。
学び方も内容も、己書は本当に自由です。なので筆者もゆるく続けていく予定です。
取材協力:おせっかい家己書道場(神奈川県綾瀬市)
今回は、神奈川県綾瀬市にある「おせっかい家己書道場」師範、大野恵さんにご協力いただきました。
おせっかい家己書道場の対応地域は、綾瀬市・海老名市・伊勢原市。
出張幸座(カフェ・地元イベント・自宅)をメインに、活動しています。
ちなみに、筆者は都内在住。決して通いやすい場所ではありません。
大野さんに習おうと思った経緯は、Twitterでの繋がりから。
おおらかな人柄と己書の情熱に惹かれました。
「夢はスペイン移住。バルセロナで己書幸座をやる」と意気込む大野さん。
今後の動向に、ますます目が離せません。
気になる方は、ぜひご本人へコンタクトしてみてくださいね。
推薦図書:筆ペンでだけで今を変える 己書(おのれしょ)
読むも良し、書くも良しな己書の魅力がギュッと詰まった一冊。「もっと己書の魅力が知りたい!」「自主練用のお手本にしたい!」という人、必携です。