本記事は受験対策ではありません。ただし和歌や俳句への興味が湧くことで、勉強意欲が湧くかもしれません。社会人だけでなく、学生さんもぜひ読んでみてください。
私は学生時代、古典が苦手でした。特に和歌とか俳句が意味不明。何が面白いのか、まったく理解できません。
しかしいい大人になったし、シナリオには和歌や俳句の技術が役立つと聞きました。漠然と「なんとか和歌や俳句を好きになりたいな」と思っていました。
それがあることをきっかけに、一気に俳句への興味が湧いたのです。本記事では、いかにして私が俳句への苦手意識を払拭したかをご紹介します。
便宜上「俳句」と書きますが、和歌や川柳、狂歌などにも応用できます。共通している内容が多いので、まず第一歩としてお読みください。
なぜ俳句への興味が湧かないのか
俳句への興味が湧かない理由はシンプルに「面白くないから」でしょう。もし面白いなら、理解できないなりにも、俳句集を読むなどの行動を積極的に行うはずです。
じゃあなぜ面白くないかといえば「理解できないから」に尽きます。ただこの理解できないには2パターンあります。
1つめが内容どころか意味すら理解できない場合。そもそも読んで理解できないため、俳句の魅力がわからないケースです。
2つめが俳句の魅力が理解できない場合。俳句自体は理解できても、俳句の面白さが理解できないケースです。
後者は俳句との相性が悪いです。相性が合う作品に出会わない限り、努力が実りにくいです。諦めた方がよいでしょう。ただし前者は相性以前の問題です。まずは理解できるよう努力しましょう。
私は前者。何を読んでも「何いってんのかサッパリわかんねぇ」状態でした。
どうすれば俳句を理解できるか
ここからは私の体験談なので、「こんな方法もあるんだな」という程度でお読みください。
私は俳句への第一歩として短歌を学びました。ものすごくザックリ説明すると、短歌は五七五七七調で季語が入っていない作品です。
私は「天才による凡人のための短歌教室」を読んではじめて「あ、短歌ってこんな感じなんだ」と理解できました。私の頭ではまだ理解できない作品の方が多いですが、少しずつ<短歌>というものを理解しつつあると感じています。
自分で短歌を作っているうちに、少しずつ短歌を読む力も磨かれてきました。言葉の使い方、リズム、ストーリー性などなど。「川柳の方が短いし、楽じゃない?」と思いましたが、短歌の方が長い分、情報量が増やせます。物語性を出しやすいのが私的には刺さりました。
【参考】短歌を学び始めたきっかけはこちら
→キャッチコピーが苦手なライターは短歌を学べ
俳句への目覚め
短歌を作っているうちに「これに季語を入れたら俳句や和歌になるんじゃね?」と気づきました。季語を入れて五七五で終われば俳句だし、和歌にもなります。
試しに俳句の本を読んだのですが、短歌学習前とは着眼点が違うなと感じました。短歌という基礎があるため、他作品を理解しやすくなっています。この興味をそのまま生かし、徐々に理解の幅を広げていこうと思っています。
季語を通して知識が広がる
俳句と短歌の大きな違い「季語の有無」は、歳時記という本から学べます。
時刻や季節、情景など、季語には情報が凝縮されています。季語を上手に使うことで、語彙力と表現力を格段に増やせます。
たとえば「良夜(りょうや)」は十五夜満月の晩のこと。この二文字で、季節・日付・時刻・月の状態を表現できます。※良夜はまれに十三夜を指すこともあり。
ファンタジー世界だと、時計がなかったり、独自の暦を使う場合があるでしょう。「夜八時って書かずに、夜八時を表現したい」といった場面が出てくるはずです。そんな時に季語を上手に使えば、具体的な時刻を書かずとも自然な表現ができるようになります。
季語の知識は俳句以外にも、小説やシナリオを書く時にもかなり役立ちます。もちろん一般教養としても生かせるので、季語を学んで損はありません。俳句を読まない方も短歌のみ読む方も、面白いのでぜひ学んでみてください。
これから俳句を学びたい人へのおすすめ書籍
ここからは私が読んで本当に参考になった本をご紹介します。俳句以外の本もありますが、読んだ順にご紹介しますね。
天才による凡人のための短歌教室
短歌にどっぷりハマるきっかけとなった一冊。端的でわかりやすく、必要な情報が凝縮された一冊です。本書内に短歌がふんだんに紹介されているので「短歌を読んだことがない」という人にも入門しやすい一冊となっています。
本書を読んだ感想はこちら
→【レビュー】天才による凡人のための短歌教室|刺さった理由5選
超辛口先生の赤ペン俳句教室
「プレバト!!」の俳句企画をまとめた一冊。芸能人たちが作った俳句を例題に、俳句の基礎からNG、添削や着眼点が学べます。具体的な作り方は載っていませんが、どう言葉を磨けばいいかが学べます。初心者が陥りがちなミスや疑問への答えが書かれているので、最初の一冊にもオススメです。
上記が入手しにくい方は、コチラもオススメ
一日歳時記
「超辛口先生の赤ペン俳句教室」を読んで歳時記の存在を知り、真っ先に手に取った一冊。テーマ別の歳時記が多い中、本書では時間にフォーカスしています。
実は時間表現って、シナリオではかなり重要なんですよね。柱に絶対書きますから。直接時間を書いてもいいのですが、撮影指示を書くことは好まれません。しかしわかりやすい単語を使えば、それとなく撮影指示を出すことができます。季語を使うと風情が出るだけでなく、さりげなく指示が出せるのです。まあ、監督や制作陣が意図を汲んでくれるかは別ですがね。
理解できれば、俳句はグッと面白くなる
俳句を好きになれない最大の理由は、面白くないから。その前段階として、理解できないという問題があります。
だから理解できるものから入り、俳句へと興味を広げていきましょう。個人的には短歌や季語(歳時記)から入るのがオススメです。ぜひ気になるものから始めてみてくださいね。