文章力って、どうやって身につけるの?
「たくさん読め」「たくさん書け」
文章力を磨くアドバイスとして、よく聞く言葉です。
私もシナリオ学校時代には、よく言われました。
(シナリオだと「読む、見る、書く」が基本ですが)
しかし私は「ただ読むだけ」「ただ書くだけ」なら、あまり学習効果がないと考えます。
もし読書量や執筆量が文章力と比例するなら、ご年配ほど名文が書けるし、若輩者は一文字も書けないはずです。
しかし、ご年配でも支離滅裂な文章を書く人がいますし、学生でも名文を書ける人がいますよね。
量をこなすと質は上がるでしょうが、「イコール上達する」には結び付きません。
そこで、本記事では効果的な文章の学び方について解説しました。
読み終えた頃には、きっと文章を見る目が変わりますよ。
文章の学び方とは
文章は、「書いてから読む」が鉄則です。
まずは自分の至らなさを自覚し、盗む気持ちでプロの文章を読みましょう。
その手順について、細かく解説していきますね。
自覚を持つ
文章を学ぶ上で、一番大事なのは「何ができないか自覚すること」です。
自覚のあるクセは直したりカバーできますが、自覚のないクセは直せないものです。
- 「てにをはが使えない」
- 「いつも単調になる」
- 「語彙力がない」
まずは、こういった自覚を持ちましょう。
自分に足りない所がわかれば、そこを補うことができますよね。
逆に「何かおかしいけど、どこがおかしいかわからない」「現状書けていると思うが、もっとよい文章が書きたい」と悲観しない人は、矯正が難しいでしょう。
漠然と読んでもいいのですが、自分の問題を把握し「解決するにはどうしたらいいか」という視点を持って読んだ方が、学びが深くなるでしょう。
自分が理想とする文章を見つける
次に、「自分がどんな文章を目指しているか」を決めましょう。
目標に足りない部分を補うことで、目標とする文章が書けるようになるでしょう。
ところで、あなたが思う「いい文章」は、どんな文章でしょうか?
芥川龍之介?
太宰治?
夏目漱石?
作家を思い浮かべる人もいれば、「雑誌に載ってる文章」「新聞みたいな記事」のように答える人もいるかもしれませんね。
そう、いい文章は、人によって違うのです。
だからこそ、自分が理想とする文章を見つけましょう。
芥川龍之介のような文章が書きたいのか。
それとも新聞のような文章がいいのか。
目指す場所は、人それぞれ。
書く目的に合わせて、理想の文章を使い分けてもいいですね。
プロの文章を分析する
自分に足りないもの・必要なものが把握できたら、プロの文章を読みましょう。
そして自分の文章と比べてください。
- 表現力がないと悩んでいる→どの部分が自分にない表現なのか
- 語彙力がない→どんな言い回しに語彙力を感じるのか
プロの文章を分析することで、自分との違いがわかるでしょう。
どんな技が使われているか、どう表現したらいいのか、プロの作品を例文として学ぶことができます。
他にも、次のような勉強方法が役立ちます。
- 自分にできないと思った表現を書き写す
- 「自分の文章で使えたら」と思った表現をメモする
- 感銘を受けた部分に線を引く
- 「上手い!」と思った単語をメモする
このようにして、自分の文章に必要なものを学び取ってくださいね。
文章を実践で学ぶべき理由
私は「文章の書き方講座」を開講しているのですが、一番多い質問が「てにをはの使い方」。
電子書籍を作るにあたり、私もてにをはを学び直しました。
しかし、一瞬で諦めました。
てにをはを完璧に学ぶなら、大学の授業並みに難解でわかりづらい文章を読むしかない。
てにをはだけで、一冊本が作れるでしょう。
てにをはの本を作れたとしても、読者に理解してもらえるかは不明です。
さらに実生活で使えるかどうかは、別問題ですよね。
だったら、実践で学んだ方がはるかに速いです。
幸い、世の中には生きた文章やいいお手本があふれかえっています。
もちろん悪い例もありますが、それらを分析する力があれば、自分の中に吸収できます。
分析にはセンスも必要ですが、センス以上に「欲する気持ち」が大事です。
ぜひ貪欲に文章と向き合って、必要なスキルを盗んでくださいね。
文章を学ぶには「書いてから読む」が鉄則!
文章を学ぶ時は、まず自分の至らなさを自覚しましょう。
その上で、盗む気持ちで読むことが不可欠です。
漫然と読んだり書いても文章力が上がらないのは、「どこを盗むべきか」を自覚していないから。
中には「読むのと書くの、どっちが先かわからない」と悩み、行動しない人も大勢います。
まずは書きましょう。そして至らなさを自覚し、読んでください。
その経験が、あなたの文章を力強くしてくれますよ。