【衝撃】40年前の有名作家、いまや著作が流通していない

「本との出会いは一期一会」「欲しいと思ったらすぐ買え」という話がありますが、先日つくづくそうだと実感するエピソードがあったのでご紹介させてください。

先日国立映画アーカイブで「ジャコ萬と鉄」という映画を見ました。「脚本家 黒澤明」の展示に合わせて、監督ではなく脚本家として黒澤明が携わった作品を観賞できたのです。もう面白くって、キャラクターの心情とか背景が丁寧だと思いました。

「よく作り込んだな」と思ったら、原作があるんですね。梶野悳三(かじのとくぞう)の「鰊漁場」という小説でした。

私は知らない作家です。「さすが黒澤明、色んな作品を読んでいるな」と思い調べたら、何度か直木賞候補になったこともある有名作家でした。本作も1946年に大衆雑誌懇話会賞を受賞しています。

映画も面白かったし、ぜひ原作が読みたい。さっそく調べて驚きました。

売ってないんです。

Kindleでも読めないし、図書館にも置いてありませんでした。もちろん青空文庫対象外。

梶野悳三は1901年生まれ1984年没。40年前の作家ではありますが、映画化されたことですし、まったく本が売られていないとは思いませんでした。梶野正義名義で執筆したりと、決して著作の少ない人ではありません。しかし今では売られていない。

平安時代生まれの紫式部の本は売られていても、40年前の作家の本は今や流通していないんです。

その事実に驚くと同時に、怖くなりました。一世を風靡しても数十年後には痕跡が消えてしまうのですから。

確かに作品はずっと残り続けます。しかし販売されなければ、誰の目にも届かない。未来では存在しないのと同じなのです。

そして販売しないということは、売れないということ。世間からのニーズもなく、出版社も売れないと判断されれば、増刷されないのです。

小説だけでなく映画やアニメなど、豊富な作品が楽しめる現在。レンタルやサブスクサービスがあるため「いつでも見れる」と思いがちです。ネットが充実しているため「探せば見つかる」と思うでしょう。

しかし適切な時に買わないことで販売中止となり、世から消える作品もあるのです。消えた作品はいくら金を積んでも手に入りません。永久に見る機会を失うのです。

当たり前のことですが、このことを忘れていました。今大ブームとなっている旬の作品も、少し経てば二度と見れなくなる可能性があるのですから。

だから本や映画を見つけたら、ぜひすぐ買ってください。あなたが作品を見逃さないだけでなく、作品自体の寿命を延ばすことが期待できます。もし少しでも長く作品を販売できれば、続編ができるかもしれないし、一世代後の人も同作を楽しめることができます。後世に作品を残すことができるのです。

過去の作家も大事ですが、同時代に生きる人として、今活躍している作家を大事にしたいものですね。

結局私は原作の「鰊漁場」(改題:ジャコ萬と鉄)を探せませんでした。ブックオフもダメ。今度国会図書館で探すことにします。しかし「吾一の一ばん銛」という同作者の別作品を入手することができました。先に本書を読み、作者の世界観を味わいたいと思います。

参考:最近出会ってドハマりした本

2022年11月23日をもって、表参道のクレヨンハンスが移転のため閉店しました。行ったことがなかったので11/22に滑り込みで行ったところ「絶版本」として以下を見つけました。図書館で全巻読めたのでラッキー!

これが本当に面白い。1日1冊のペースで読む日もあります。創作に役立つヒントを得たので、後日本ブログでご紹介しますね(^^♪

※絶版本なのは単行本版です。本記事を書いて文庫版が販売されていると知りました! 装丁もキレイだし全部買いたい…。

宮本くみこ
ライター
小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。
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