「脚本家 黒澤明」を使ったシナリオ独学方法

昨日紹介した書籍「脚本家 黒澤明」は、シナリオ学習の強い味方になる書籍です。

しかし情報量が多すぎて、何から学んでいいものか。

本記事では、私がやろうと思っている同書籍を使ったシナリオの勉強法をシェアします。

シナリオ学校や通信教育では学べないようなことが学べるので、これからシナリオを学びたい方・シナリオ学習が行き詰まった方はぜひ参考にしてくださいね。

▼本記事に出てくる書籍はコチラです

目次

「脚本家 黒澤明」を使ったシナリオの独学方法

私がやろうと思っているのは、次の4つです。

  • 原作と黒澤作品を見比べる
  • 同じ原作を使った作品を見比べる
  • 黒澤明が影響された作家たちを深堀する
  • 書籍をもとに、人物相関図やシーンを書いてみる

どれから始めても構いません。ただし、上記は黒澤作品を見ていることが前提です。

未視聴の方・見たけど忘れた方は、以下から行いましょう。

  • 黒澤明監督作品を見る
  • 黒澤明全集を読む
  • 原作小説を読む

※膨大かつ時間がかかるので、気長に取り組んでください。

それでは、一つずつ解説していきます。

原作と黒澤作品を見比べる

当たり前ですが、小説と映画は違います。その「どう違うか」を分析していく方法です。

以前「生きる」が舞台化されたのですが、映画とはまったくの別物でした。私個人の感想ですが、映画では上長だった部分が舞台では盛り上がり、映画では見所だった部分が舞台では魔改造されています。それをただ「面白くない!」と一蹴することもできますが、映画にとっての見所と舞台にとっての見所は違うものです。その両者を知ることで、それぞれの作品の魅力を最大化できます。

話は逸れましたが、同じことが文字作品である小説・シナリオにも言えます。

原作で言わんとすることを、映画ではどう表現したかを分析しましょう。同書では「白痴」を取り上げ、具体的な解説がなされています。

▼黒澤作品はコチラ

▼原作はコチラ

同じ原作を使った作品を見比べる

黒澤作品の「愛の世界 山猫とみの話」と「赤ひげ」は、どちらも同じ小説・ドストエフスキーの「虐げられた人々」から生まれています。

このように原作は同じでも、作り手や意図によって、まったく別の作品になるのです。

まずは原作を読み、映画を見比べてみましょう。もし他の監督が作った作品やリメイク版があったら、それもチェックします。

原作のどの部分を使い、どの部分をそぎ落としたのか。作り手による違いを感じましょう。

この方法を体得すれば、一つのアイデアから複数の作品を生み出すことが可能になります。

▼原作はコチラ

▼黒澤作品はコチラ

「愛の世界 山猫とみの話」 はDVD等で販売されていないようですね。YouTubeで全編見れるようですが、公式サイトじゃなさそうなので本記事では紹介しません。できればお金を払って、正規の方法で閲覧してください。

黒澤明が影響された作家たちを深堀する

黒澤明はドストエフスキー、バルザック、トルストイを愛読していたといいます。他にも狂言や能に親しんでいたといいます。

彼が愛した作家たちの作品を読むことで、いかにして黒澤作品が生まれたかを知ることができるでしょう。テーマや信念、ものの見方など、黒澤明が創作者として大事にしていることが知れるはずです。

また、同じことは私たちにもいえます。何からどう影響を受けたか無自覚な創作者も多いでしょう。しかし他の人がどうだったかを知ることで「自分はどうなのか」を知るきっかけになります。惹かれるテーマや作品を知ることで、より自分が作りたい作品像が明確になるでしょう。「何を書いていいかわからない」という人は、ぜひ挑戦してほしいです。

書籍をもとに、人物相関図やシーンを書いてみる

テクニックや書き方の勉強としては、これが一番力になるでしょう。

実際に映画や脚本を見て、書籍内で解説されていることを自分なりに書いてみます。そして書き上げた内容と書籍の内容を見比べることで、自分に足りない視点・自分独自の見解に気づくことができます。

書く時は、自分のやりやすい方法でOK。ただしカンニングはしないことです。まあ、完全に模写するというならそれも有なのですが、一度正解が刷り込まれると自分では考えにくくなってしまい、貴重な学びの機会を失います。だから最初は書籍を見ずに書いた方がいいでしょう。

プロのテクニックや細やかな気配りなど、視聴者視点では気づかないものが見えてくるはずです。

黒澤脚本を学ぶ前の下準備

こう書いた私ですが、すべての黒澤作品を見たわけではありません。国立映画アーカイブの展示を観た時は、自分の知識不足を嘆いたものです。

ここからは、独学に入る前の下準備をご紹介しますね。

もちろん全作品を見る/全シナリオを読むが理想ですが、「ひとまずこれから!」という流れをご紹介します。

書籍内から学びたい作品を選ぶ

「脚本家 黒澤明」には、様々な黒澤作品が掲載されています。まずはザッと目を通し、何から学びたいかを決めましょう。

原作を読む

原作があれば読みましょう。映画を見る前に読むのが理想ですが、鑑賞後でも構いません

文字と映像では別作品というくらいに変化しているため、どっちから入っても学びの質が変わらないためです。

ただし約2時間で終わる映画と違い、小説は読むのに時間がかかります。私なら同時進行で読み進めますね。

シナリオを読む

映画を見る前に、同作のシナリオがないか探します。黒澤作品全集に載っている可能性が高いですね。運がいいと図書館に置いてあるので、蔵書検索してみてください。

可能なら、映画を見る前にシナリオを読んでください。一度映像を見てしまうと、それが正解になってしまうからです。「どんな感じの映像になるか」と考えられるのは、鑑賞前の一度きりです。ぜひ読みながら、自分なりに脳内で映像を組み立ててみましょう。

作品を見る

シナリオ読了後に映画を見ます。大抵は映画のサブスクで見れるはずですが、どうしてもない時は分冊百科「黒澤明 DVDコレクション」で検索してみてください。

書く

シーンや人物相関図など、元々学びたかったことを自分なりに書いてみましょう。書いたら書籍と比べます。

書籍内に記載がなくても、書くことは大きな収穫になります。ぜひ映画から学んだことや気づいた点をメモしておきましょう。

「脚本家 黒澤明」を 読む

「脚本家 黒澤明」を読み、最初に自分が学ぼうとしたことを復習します。すると「あのシーンはこうだったのか!」「この人物にはこんな意味があったのか!」とわかるでしょう。

ちなみに原作を読んでいない人は、ここで読んでもOK。映像を頭に残しながら読めるので、スラスラ読めるはずです。「ここは映画に出た」「違う演出だった」など、媒体ごとの違いに気づくはずです。

「脚本家 黒澤明」は脚本の独学に最適!

本書はシナリオの独学にかなり使えます。シナリオ学校や入門書では学べないような、深い部分を知れるでしょう。

1作を分析するのに時間はかかりますが、自分主導で学ぶため実力がつきやすいのも特徴。「シナリオを学んでみたい」「シナリオの学校や通信教育をするか迷う」という人はぜひ試してみてくださいね。

宮本くみこ
ライター
小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。
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