シナリオの書き写しに弊害ってありますか?
脚本の勉強方法として、「書き写し」があります。
非常に効果的な勉強方法なのですが、「やりすぎて問題にならないか……」そんな質問をいただきました。
シナリオの書き写しには、基本的には弊害はありません。しかし、大きな問題があります。
本記事では、シナリオの書き写しによる弊害について解説していきます。
読み終えた頃には「シナリオの書き写しの何が問題なのか」が理解できますよ。
「まずはシナリオを入手したい」という人は、こちらの記事をご参照ください。
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シナリオの書き写しとは
読んで字のごとく、シナリオや脚本、台本を一字一句書き写します。
ここで重要なのが「そのまま」書き写すこと。
ページがもったいないからと、余白を詰めたり文言を言い換えないでください。
そのまま書き写すことで、プロ作家の呼吸を感じられます。また、脚本の型を体得できるでしょう。
シナリオの書き写しはジャンル問わず、多くの脚本家・監督が実践する王道勉強法です。
「書き写しが面倒くさい」という人は、映画分析から始めてみてはいかがでしょうか。映画脚本の分析方法|名作から構成&テクニックを学ぶにはで手順をご紹介しています。
シナリオの書き写しによる弊害はあるか
基本的に、シナリオの書き写しによる弊害はないです。
ただ、弊害として考えられるのは、次の二つでしょう。
- 腱鞘炎になる
- 勉強ではなく作業になる
それぞれ解説していきますね。
腱鞘炎になる
ノートに手書きしたら、私は腱鞘炎になりました。
パソコンで書いたら、また違ったかもしれませんね。
書き写しはかなりの量です。一気に書きすぎないよう注意しましょう。
むしろ「なぜこの言い回しなのか」など、考えながら書いてください。
多数の脚本をこなすのではなく、学びながらじっくり書くことをオススメします。
勉強ではなく作業になる
とにかく書くことが目的になり、頭を使わなくなります。
本来は「なぜこの言葉を選んだのか」「なぜこの展開になるのか」を考えながら書くべきです。
それがいつしか、書くだけに注力し、考えることを放棄するのです。
ただ「考えないこと」は、さほど問題ではありません。書くことで、「シナリオの流れ」が体得できますから。
そもそもシナリオの書き写しは、「シナリオの型」を身につけることが目的なので、作業になっても書いていればOK。
むしろ次項の方が問題でしょう。
シナリオの書き写し、最大のデメリットとは
シナリオの書き写しによる一番の問題は「やらないこと」です。
やらなければ、どんなメソッドも無駄です。
シナリオの書き写しについて、次のような質問が頻出します。
- 何を書けばいいか
- オススメの作家は誰か
- 一日にどのくらい書けばいいか
- パソコンと手書き、どちらがいいか
実際にやるのであれば、こんなこと問題にもなりません。「まずは1本書く」これが何より大事です。
書き始めると、多くの学びがあります。たった1ページでも、先人の言わんとすることが理解できるでしょう。
しかし1文字も書かなければ、学びすらありません。
理由を付けてやらないよりは、何でもいいから書いてください。それが何より重要です。
まずはシナリオの書き写しをしよう
シナリオの書き写しによる弊害は、次のとおりです。
- 腱鞘炎になる
- 勉強ではなく作業になる
- ただし「やらない」が一番の弊害
まず、問題になるほど実践する人はいないので、安心して取り組みましょう。
私は腱鞘炎になったせいで、書き写しは辞めました。
しかし数ページ書くだけでも勉強になるし、代替方法でシナリオの知識はグンと身につきました。
あまりにメジャー&面倒な作業だけに、多くのシナリオライター志望者がやらない「シナリオの書き写し」。
しかし一番実力がつく勉強法なので、まずは1本書いてみてくださいね。