小説を公募に出すとすると、添付必須な梗概(こうがい)。
あらすじと、どう違うのでしょうか? また、要約との違いは?
そんな紛らわしい「あらすじ」に関する用語を、本記事ではまとめて整理します。
小説を投稿したい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
あらすじの類語
あらすじと似た表現の言葉には、次のようなものがあるでしょう。
- 梗概
- 要約
- 筋書
映画であれば、シノプシスやアウトラインも使用されますね。
あらすじとの違い
あらすじ(粗筋)とは、「どんな話か」を要約したもの。場合によっては筋(話の流れ)も書きます。
なので、要約・梗概・筋書は、あらすじと同じ意味です。
むしろ言葉より、「求められる状況」によって、書く内容が変わってきます。
目的 | 内容 | |
あらすじ | お客さんに「もっと知りたい」と思わせる | 相手の心を掴む、疑問形 |
梗概 | 物語の全体像を理解させる | 物語全体の流れを説明する |
要約 | どんな話か端的に理解させる | 相手がわかれば何でもOK |
筋書 | 物語の展開を揉み直す | 物語の展開を書き込む |
公募に必要な梗概とは
公募で求められる梗概は、「審査員へのプレゼンテーション」と思いましょう。
審査員は、あなたの作品がどんな話か知りません。その判断材料として、梗概を読みます。
審査員はいちいち作品を覚えていられません。だから思い出す時に読んだり、最初に内容把握するために読みます。
それなのに「どんな話か」掴めなかったら、あなたの作品の評価は下がるでしょう。
公募で梗概に求めるものは「どんな話か」を判断する資料。そのため、「どんな物語か」を最後まで書く必要があるのです。
公募用梗概の書き方は、公募で注目される梗概の書き方【テンプレート有】小説、脚本で解説しています。
あらすじとは
世間一般で想像するあらすじは、「もっと読みたい!」と思わせるもの。
文庫本の裏表紙やコミックスの商品説明文にあるイメージですね。
「もっと読みたい!」と思わせるために、読者を引っ張る必要があります。だから最後まで書かず、あえて疑問形で〆たりします。
読者に「購入してまで読みたい」と思わせるのが、あらすじの役割です。
要約とは
要約とは、物語を理解できる程度に縮めたもの。
書評ブログの内容紹介のイメージに近いでしょう。作家や出版社ではなく、ブロガーやライター、読者が作るイメージですね。誰かに説明するものでしょうか。
要約は「だいたいどんな話か」を知るために使用されます。
だから切り取り方は説明者次第。作る人によって、内容・理解度・面白さも大きく変わるでしょう。
筋書とは
筋書は、プロが製作の現場で使う用語かと。
一般ではあまり使用されません。小説よりも、シナリオ世界で使いますね。
「筋書」は英語でプロット、シノプシス、アウトラインとも訳せます。
厳密にはこの3つは別物ですが、ややこしくなるのでまたの機会に解説しますね。
筋書は、物語の流れを細かく記録します。あらすじや梗概とは、そもそも用途も内容も異なるのです。
プロじゃないと使用頻度の低い筋書ですが、自分の執筆には大いに役立ちます。最後まで書き上げるためにも、筋書は書いておきましょう。書きたくない人はプロットは絶対に必要ですか?|書きたくない人へのヒントをお読みください。
意味は同じだけど用途が異なる
あらすじや梗概など、様々な言葉があります。
基本的な意味は同じですが、目的・見る人によって内容が異なります。
あらすじを書く前に「誰が読むか」「何が目的か」を理解しておきましょう。
5W1Hや「どんな誰が/どうなって/どうなる話」を押さえることで、それなりの要約が書けるはずですよ。
推薦図書:物語の法則
うまく梗概が書けない人は、物語の型を使うのが便利。物語の法則では「ヒーローズジャーニー」と「プロップのおとぎ話分析」の二つの型が学べてお得です。