愛される<お金大好きキャラ>の作り方|執着や不快感を減らす方法

最近アニメを見ていると、味方に「お金大好き」キャラが結構います。一般的に金にがめつい人は嫌われますが、なぜか漫画やアニメでは不快感がないんですよね。

よく見ていたら、傾向や共通点があることに気づきました。

本記事では、愛されるお金大好きキャラの作り方をご紹介します。

目次

ポイントは「お金が欲しい理由」

大事なのは金でなく「なぜ稼ぎたいか」「稼いだ金をどうするか」です。ここに共感できれば、金を稼ぐことへの不快感も減ります。

ただ理由がなかったり腹黒さを感じれば、途端に不快感が生じます。ここは生身の人間と同じなのですが、塩梅が難しいところ。

もし悩んだら、利他的な動機にした方がよいでしょう。

愛されるお金大好きキャラのパターン4選

ここからはお金大好きキャラにありがちな傾向をご紹介します。他にもあったら、ぜひ教えてくださいね。

病気の誰かを助ける

アニメで共通していたのが「病気の家族を救うために入院費が必要」でした。しかもその家族は昏睡状態や植物状態で、意思疎通ができません。そして大金があっても治るか微妙な立ち位置です。不死の病やガンなどの一般的な病気でなく、未知の病気や治る可能性が1%でもあるものに限られています。

お金さえあれば治るかもしれない」と希望を持たせて、頑張るモチベーションにしているのですね。

お金目的に見せて、本当は家族愛(恋人であれば恋愛)要素のために頑張る。お金への執着度が軽減されるため、どんなにがめつい人でもつい応援したくなります。

このタイプはどのパターンよりも深刻なので、お金に対してシビアすぎる→冷酷なキャラに見えがちです。でも内心に熱い想いを秘めていることが読者にわかると、途端に愛情深いキャラに見えます。ギャップが生まれて、よりキャラに愛着がわくようになります。

ド貧乏

前出に近いですが、そちらは「特定の誰か」のためで、こちらはより広範囲な集団(家族、仲間など)のために動いています。緊急度は低めですが、より多くの人を幸せにしようとする利他的な行動です。

例えば、子沢山な家庭・貧乏な家庭・稼げない借金取り集団など。集団が危機に陥っており、お金があれば救われる。「お金をゲットして、皆が幸せになる」ことを目指します。

このパターンのキャラクターは、バイトに勤しむ学生といった属性が多いでしょうか。社会人でも、掛け持ちで働いたり片親家庭などで使われがちな設定です。若かったり無能なイメージが強いですね。しかし健気さやひたむきに頑張る姿が読者の胸を打ちます。

夢や目的がある

「○○したい」という夢のために金儲けしようとするキャラは、夢と思いが共感できるものであれば応援されます

例えば「パチンコの軍資金が欲しい」だと嫌われますが、「弁護士になって人を救いたい。だからいい大学に行くための学費が欲しい」であれば、後者の方が好ましいでしょう。

夢そのものも大事ですが、その裏に潜む思いも大事です。読者に理解してもらうために、思いをお金稼ぎ以外のエピソードで語ることも重要です。思いを理解してもらうことで、行動(お金稼ぎ含め)すべてに正当性が出てきます。

個人的な感想ですが、現実世界でよくある夢は少ないですね。ボランティアでありがちな「井戸を作りたい」や詐欺でありがちな「不労所得で経済的自由を得る♪」など。

個人的には読者が理解しやすい夢(等身大の利己的な夢)の方が、共感を得やすいと感じています。

そもそも夢や目標は個人的なもので、利他的である必要はありません。「ギターが欲しい」「憧れのパリへ行く」など、そのキャラクターの等身大な夢が望ましいといえます。

純粋にお金だけが好き

お金大好きキャラには、金稼ぎやお金そのものが好きなキャラも多いです。ゲームでハイスコアを狙うように数値を追う者、価値基準がお金である者など、数値やお金そのものが好きで頑張る感じですね。

私腹を肥やしてどうこうするといった腹黒さが見えないため、不快感が減ります。

稼ぐ目的が不明なキャラは、大抵ここに分類されます。

このパターンのキャラクターは一匹狼なフリーランスで、報酬を気にする傾向があります。単価を気にして仕事をするのですが、このパターンでは100万円単位で金額が動くことも。

「大金を稼げる=デキる人=優秀」というイメージ付けができるので、とてもカッコいいキャラに見えます。一方、仕事ができない口だけキャラ(実力が伴わない)だと、途端にカッコ悪く見えるので要注意です。

愛されるお金大好きキャラを作ろう

お金大好きなことを公言することは強い個性になりますが、普段表に出さない感情であるため、嫌悪感を抱かれやすいものです。

しかし少しの技で不快感を軽減できるので、ぜひ上手く活用してくださいね。

推薦図書:記憶に残るキャラクターの作り方 観客と読者を感情移入させる基本テクニック

キャラクター作りに迷った時に読みたい一冊。私も近々買おうと思っています。

宮本くみこ
ライター
小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。
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