どうしたらくさいセリフを書かないようになりますか?
シナリオ学校時代、生徒がとある講師に投げかけた質問です。
気の利いたセリフが書けず、言い回しに悩む人は多いですよね。私もかなり悩みます。
本記事では、くさいセリフを書かない方法を解説していきます。
くさいセリフは存在しない
基本的に、くさいセリフは存在しません。そのセリフを言うタイミングやシチュエーションが悪いのです。
例えば、ダジャレや親父ギャグって面白くないですよね。でも同じ内容を大喜利で言えば、大爆笑。頭の回る人として高評価を受けるでしょう。
悪いのはセリフではなく、言う状況。その状況を整えるのが、シナリオライターの役目なのです。
シナリオライターの役割
そもそもシナリオとは「筋書き」の意味。筋を書くのが一番の仕事です。
筋とは、次のようなものです。
- どんな展開になるか
- なぜその展開になるのか
- どうやって展開していくのか
物語が自然な流れで展開するよう、段取りをつけるのがシナリオライターの役目です。
自然な流れがあることで、観客は物語をすんなり理解できます。逆に下手なシナリオだと、展開が強引に。「なんでこうなるの?」と観客は理解できず、作品を酷評するでしょう。
シナリオライターは「その行動をしても不自然じゃない」ように、段取りを作るのが主な仕事なのです。
実例:101回目のプロポーズ
例で考えた方が早いので、一つ見てみましょう。
101回目のプロポーズで有名なセリフ「僕は死にましぇーん」。
ネタとして散々いじられてるので、知っている人も多いでしょう。確かにここだけ言われれば、くさいセリフです。
ただ、ドラマ全体を見たら、印象は変わるでしょう。これまでに長い愛の駆け引きがあり、ついにクライマックス。最後の決め手として出た言葉が、あのセリフなのです。
リアルタイムで二人の軌跡を追っていた人は、あのセリフに胸を打たれたのではないでしょうか。
セリフの臭さよりも「言うまでの筋書き」を大事にしよう
くさいセリフを避ける方法は、以下のとおりです。
- セリフよりも言うタイミングやシチュエーションが大事
- そのセリフを言える状況を整える
- その状況に行きつくまでの段取りを整えるのがシナリオライターの仕事
セリフだけを聞けば、確かにくさいかもしれません。場違いなセリフは白けてしまうでしょう。
渾身のセリフが輝くよう、段取りを大事にしてくださいね。
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