キャラの性格が決まらない時の対処法3選|小説、シナリオ用

現在新しい小説のアイデアを練っているのですが、物語と主人公の間に齟齬が生じました。主に「この性格だとこの展開にはならない」「コイツ何考えて生きてるんだろう」といった感じで、主人公の性格が決まっていないことが原因でした。

主人公が定まらないと、物語は作れません。主人公を定めるためには、しっかりと性格を把握しておくことが重要です。

本記事では主人公の性格の決め方についてご紹介します。

目次

主人公の性格を決める方法

主人公の性格を決めるには、次の手順が有効です。

  1. 物語内での目標・課題を明確にする
  2. ビフォーアフターを決める
  3. 周りの人物から決める

上記はどの順番で行っても構いません。私は1~3の間を行きつ戻りつしながら決めています。

ちなみに今回は3に着手したおかげで解決することができました。どんなに入り組んだ悩みでも、究極的にはこの3つに立ち返ることが重要だと実感しています。

基本的なキャラクター作りのコツは以下をご参照ください。
キャラが薄い時の対処方法|掘り下げ方&考えるポイント

物語内での目標・課題を明確にする

主人公には何かの目的があります。目的がなければ、物語自体が生まれません。ミステリーであれば「殺人犯を見つける」とか、ホラーであれば「生きて帰る」とか、何かしらの目的があるはずです。

日常系のユルフワな作品の場合、目標がないこともありますが、何かしら設定した方が物語が作りやすくなります。

そして目標に向けて頑張る主人公に対して、実現できないよう課題を設定します。この課題を超えることで、主人公は成長できるのですね。

「志望校に合格する」なら、大学受験が課題です。でもただ勉強しても成績が伸びない。この「成績が伸びない」に対して、どうアプローチするか。ここが各キャラの性格が出る部分になります。

優等生の10点アップと劣等生の10点アップであれば、難易度は変わるでしょう。キャラクターの目標・課題・性格はセットともいえます。

ビフォーアフターを決める

物語を通して、主人公は成長します。成長前と成長後の姿を決めると、スムーズにキャラクターが決まります。

序章では力量不足だった主人公が物語を通して成長し、ラストで何かを得たはずです。では序章の主人公は何が足りなかったのでしょうか。もしくは成長後の主人公はどうなっているでしょうか。迷ったら、まずどちらか片方をしっかり決めます。そして引き算もしくは足し算することで、もう片方の姿が決まります。

ちなみに、成長前と成長後の差(得たはずの何か)は、物語内で獲得することです。どうしたら成長できるか、何かを得られるかを考えると、物語の構成も決めやすくなります。

「志望校に合格する」なら、合格するための学力が必須になります。アフターでは学力がある状態なので、ビフォーでは「学力がない状態」にします。そしてどう勉強したらいいかを物語内で表現していきましょう。

周りの人物から決める

上記2つは、主人公個人から考える手法です。しかし考えた末に決まらない場合は、先に他の登場人物を決めてしまいましょう。相対的に「どんなキャラがいいか」が見えてくるはずです。

人は一人では生きられない生き物です。生きている限り、必ず誰かしらと交流が生まれます。家族・友人・ライバルなど、作中に出てくる人物を書き出してみましょう。

私は主人公にとってプラスの人物マイナスの人物かで分けています。主人公の目標達成や成長に必要な人物はプラスで、妨害したり足を引っ張る人がマイナスです。好き嫌いではありませんのでご注意を。主人公にプラスかマイナスかを決めることで、脇役がどう動くべきか主人公はどんな支援(もしくは妨害)を受けられるかが予想できます。

私の場合、ひとまず親友とヒロインが出ることは確定していました。この二人は主人公の動きによってかなり動きが変わるため、先に決める必要があったのです。二人ともプラスの人物です。つまりこの二人が担う分の役目は、主人公は負わなくていいということがわかりました。

一番の懸念「主人公と親友のキャラが被る」ですが、親友との類似点・相違点を決めたことで解決しました。

二番目の懸念「ヒロインのキャラが薄い」ですが、主人公が決まったので対比できる人物を作れました。好意的かツンデレか、みたいな感じですね。アフターの親密度が決まっているので、そこから逆算して出会った時の温度感を決めた感じです。

主人公・親友・ヒロインは一緒に動くことが多いため、キャラが被るのはNGです。幸いにも親友だけキャラがハッキリしていたので、彼を主軸に主要人物の性格を組み立てました。(本当は主人公から逆算すべきなんですけどね……キーパーソンなので良しとします)

これからライバル(敵役)も作るのですが、手法は同じです。主人公を決めて、その真逆を考える。徹底的に主人公を妨害する形で、ライバルの目標を作っていきます。

人間関係を考えることで「その人」が浮かび上がってくるでしょう。

主人公の性格を決めたいなら基本に戻れ

主人公の性格が決まらない時は、次の3つを試してみてください。

  1. 物語内での目標・課題を明確にする
  2. ビフォーアフターを決める
  3. 周りの人物から決める

本人を掘り下げるor周りからアプローチすることで、どんなキャラかが見えてきます。

私も頭ではわかっているつもりでしたが、困ったら結局この基本に立ち返るんだなと驚いています。それほどに効果的な手法ですので、ぜひお試しくださいね。

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キャラクター作りについてもっと知りたい人は、以下の書籍がオススメ。人種を描く際の注意点も記載されているので、ポリコレが気になる方にもオススメです。

宮本くみこ
ライター
小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。
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