小説、シナリオ、SEOライティング……
世の中にはたくさんの文章があります。
私もたくさんの文章の書き方を教えていますが、ベースは同じ。
逆にこのベースさえ押さえておけば、どの文章もある程度書けると思います。
本記事では、文章を書く時に共通する書き方のポイントをご紹介します。
文章を書く上での共通ルール
文章を書く上での共通ルールとして、4つご紹介します。
1、何のために書くのか
「ブログを書きたい」という相談を受けます。
しかし、いわゆる「稼げるブログ」とエッセイ的なブログは大きく異なります。
もし稼ぐ目的で書くなら、エッセイ的なものを書いても望みが薄いでしょう。
もちろんエッセイ的なものを全否定するつもりはありません。
もしかしたらバズったり、書籍化の道が開けるかもしれませんし。
でも本当に稼ぎたいなら、より確実な手段を取った方がよいですよね。
稼ぐか。好きなものを書くか。
この点を割り切っておかないと、せっかく書いたのに「稼げない」と嫌になって辞める羽目に。
あなたが書きたいのは何でしょうか?
ブログを書いて、何がしたいのでしょうか?
書きたいものを書いて稼げたら、そりゃ最高です。
でもそれが実現できているのは、ほんの一握り。
もし好きなものを書いて稼げなかったら。あなたはブログを続けますか?
「NO」だというなら、辞めた方がよいでしょう。やり方を見直すべきです。
書いてから「なんか違った」で辞めるのは、非常にもったいないです。
「何のために書くのか」
途中で変えてもいいから、自分の中でクリアにしてから書き始めましょう。
2、書いてどうするのか
「自伝を書きたい」という人は多いです。
しかし「書いた後どうするの?」と質問すると、大抵答えに窮します。
先日「自費出版して葬式で配りたい」という人がいました。
なるほど、納得の答えです。
でもそれだけのために、いくら使うつもりですか?
自費出版の相場は100万円以上。
死ぬということは、その前に闘病があるかと思います。
入院費用や葬式費用などかさむ中、故人の趣味に100万円も支払えますか?
さらに、自伝は書き上げるのに数年単位かかります。
死ぬ前の辛い中、書くのは難しくないですか?
ひどい言いようですが、現実的に考えるとこうなりませんか?
ぜひこちらもお読みください。
さらに、忘れがちですが、もらった側はかなり困ります。
付き合いの長い人、よほど親しい人なら喜んでくれるかもしれません。
でも、読むかは別問題ですよね。
なにせ故人に会うことはないのだから、読まなくても角は立ちません。
さらに仕事上の知人くらいの関係なら、もっと困ります。
結婚式の引出物で、新郎新婦の写真が入った絵皿ぐらい処分に困ります。
私なら「あの人マジか」と人間性を疑いそうです。
それよりも、ブログにしたらどうでしょう?
もしかしたら同じく闘病してる人があなたの闘病記録を読んで、感動するかもしれません。
あなたの物語が、誰かの力になれるのです。
しかも、ブログなら0円。販売の契約期間もないので、削除しない限りいつでも閲覧できます。
どうせ収益がないなら、ブログの方がよくないですか?
また、収益目的でも、今なら電子書籍があります。
今は多額の費用をかけずに自分の本が作れる時代なのですから。
特に自伝で多いですが、「書いた後」のことを考える人は、ごく稀。
書きっぱなしで終わる人が多いです。
せっかく書いたのに、読まれないなんて悲しいですよね。
最初から発表とセットにして、作品を作りましょう。
▼電子書籍の作り方をまとめています。
3、考えてから書く
小説が書けない原因は、たった一つ。
「何の話か決めてない」です。
考えながら書くから、手が止まるのです。
考えてから書き出しましょう。
面白いことに、作者にちょっと質問すると、すぐ答えに困ります。
自分で自分の作品を理解していないのです。
「勢いで書き上げろ」なんて供述を世の小説ハウツー本で見たことはありませんか?
これは大きな間違いだと私は考えます。
最初から最後までしっかり考え、計画し、ラストに向かって書いた方がはるかに楽。
ラストが決まっていると、逆算できますよね。
だから今どの辺りか、把握しやすいです。
一方、先の見えない物語は、作者自身「何を書いているのか」見失いがち。
仮に書き上げられたとしても、無限修正地獄に陥ります。
「何が正解か」「何を書いたらいいのか」がわからず、「より面白くなるように」と何度もとんちんかんな修正の繰り返し。
しまいには「思ったより面白くない」「こんなのが書きたいんじゃない」と絶望し、作品を放棄するのです。
せっかく書いたのに、もったいない。
どの文章も、ラストを決めて、そのために必要な構成を組み立てましょう。
考える作業と書く作業を分けることで、文章は一気に書けるようになりますよ。
▼参考として、私の失敗談を置いておきます。
4、わかりやすく書く
「これぐらい理解できるだろう」
書き手になると、ついつい思いがちなことです。
「わからない」と言われると「理解力がないんだな」と読者を馬鹿にしてしまうことも。
あなたもやっていませんか?
しかし、自分が読む側に回った時、どうでしょうか?
読んでいて理解できないと「説明が下手だ」と憤慨したり、小さなミスを見つけると鬼の首を取ったように騒ぎ立てませんか?
読者の目はシビアです。
この娯楽が溢れている世の中で、わざわざ無名作者のわかりにくい文章を読む必要はありません。
実用文なら、ググればもっと有益な記事が出るかもしれませんし、著名なライターは沢山います。
「読む」という行為は、読者が自ら進んで行います。
もし辞められたとしても、自分の意志で行っているので、誰にも文句は言えません。
作者諸君は「読ませてやっている」というマインドから、「読んでいただいている」という認識に改めましょう。
知ってる内容なら、わざわざ読者は読みません。
知らないから読んでいるのです。
特に物語は、読者の頭の中だけの世界です。
あなたが説明しないと、世界すら理解できません。
何も知らない読者が読んでもわかるよう、文章は丁寧に書きましょう。
内容を読者に寄せる必要はありません。
ただ読むのは読者だから、読者が理解できないと意味ないですよね。
「誰かに読んでほしい」と思うなら、読ませる工夫を心がけましょう。
まとめ
文章を書くことは、ほぼ考える作業です。
内容、書いた後、読者のこと。様々なことに心を砕きます。
めちゃくちゃ面倒くさいですよね。
そうです、文章を書くのは面倒くさいんです。
でもポイントを押さえたり練習すれば、慣れてきます。
もちろん「これらをすれば、すべて解決!」とは言えません。
中には伝わらないこともあるでしょう。
それでも、何も配慮していない文章はすぐにわかります。
せっかく書いた文章が完成するよう、誰かに読まれるよう、よく考えてから文章に取り組んでくださいね。
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私がライターに行き詰った時に読んだ本。ビジネス向け文章について書かれていますが「わかりやすい文章全般」にいえるコツをまとめています。手元に置く価値ありの一冊です。