黒澤明作品を解説した「 脚本家 黒澤明 」がすごすぎる!

先日国立映画アーカイブにて黒澤明に関する展示が行われていました。

その時の公式図録が最高すぎたのでご紹介します。

シナリオライター・脚本家志望者で本書を持っていない人はモグリなんじゃないか。そう思えるほど有意義な内容でした。もちろん全創作者必見の内容ですので、ぜひチェックしてくださいね!

本書にシナリオは掲載されていません。シナリオが欲しい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
脚本ってどこで買う?買える場所6選|シナリオの入手方法

目次

展覧会公式図録「 脚本家 黒澤明 」の魅力

本書は国立映画アーカイブに行かなくても買えます。というか展示終了に伴い窓口では終売したため、一般書籍として書店で買うことになります

まず国立映画アーカイブの展示は圧巻でした。黒澤映画の脚本や創作メモが惜しげもなく展示されており、思わず「全部持って帰りてぇ!」と思いましたね。そんな贅沢な内容をギュッと凝縮したのが本図録です。

展示のすべてが掲載されたわけではありませんが、シナリオ学習に最適な箇所はしっかりと掲載されていました。

本書の魅力は次のとおりです。

黒澤明が影響された作品が知れる

当然ですが、黒澤明にも好きな作家はいたわけです。どの作家の作品が、どの作品にどう影響されたのか。一部ではありますが、本書では事細かな解説が書かれています。

原作と黒澤作品の対比図が掲載されており「この一文には、○○のどの部分から影響を受けている」といった具体的な解説がなされているのです。

「影響を受けている」といわれても「具体的にどこが/どのように」まで分析する人は少ないのではないでしょうか。黒澤明作品を読み解く手がかりとして、本書は役立ちます。

▼本書内で解説された作品はコチラ

黒澤映画「白痴」はバルザックの同名小説が原作。原作小説を読むことで、作品への理解がグッと深まります。

創作メモや詳細な解説が見れる

特定のシーンを抜き出し、人物相関図や構成の解説が図で書かれています。頭の中でぼんやりわかっていても、図で作ると案外大変なんですよね。可視化されることで、理解が捗ります。

黒澤作品を知るのもいいですが、自分の作品を作る時「こういうメモを書いたらいいかも」といった手がかりが掴めるでしょう。

▼解説された映画はコチラ

七人の侍ではキャラクターの誕生秘話や侍たちの性格についての解説が掲載されています。

隠し砦の三悪人で草稿分析として、シーンの解説が掲載されています。

著名なシナリオライターの直筆メモが見れる

私が何より嬉しかったのが有名なシナリオライターの手書き文字が見れたこと。井手雅人だけでなく、小国英雄・橋本忍・菊島隆三など多数の名脚本家の名前が並びます。

ちなみに私は橋本忍さんの大ファンです。

黒澤明以前・以後の監督も紹介されているので、当時の日本映画界への理解が深まるでしょう。映画の歴史を学ぶ上でも、本書は貴重な一冊です。

ちなみに脚本家になるなら、先輩脚本家の名前や配給会社などを知っていた方が便利です。本気でプロになりたい方は映画業界の歴史を学んでおきましょう。

▼映画史をザっと学びたい人はコチラ

参考: 「脚本家 黒澤明」 を使ったシナリオの独学を解説中

以下記事では「脚本家 黒澤明」 を使ったシナリオの独学方法をまとめています。これが実行できるなら、シナリオ学校や通信教育なしでプロになれるでしょう。それほどに凄い本書、ぜひあなたの創作に役立ててください!

「脚本家 黒澤明」を使ったシナリオ独学方法

本格的にシナリオを学びたい人は絶対買うべき!

「脚本家 黒澤明」には、これから脚本を学びたい人は絶対買うべきです。下手な入門書やシナリオ学校に通うよりも、何倍も学びが深まるでしょう。

もちろん黒澤明ファン、日本映画ファンにも嬉しい一冊ですので、チェックしてみてくださいね。

▼国立映画アーカイブに行かなくても買えます

宮本くみこ
ライター
小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。
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