小説で億は稼げる?|小説家になって億を稼ごうvs作家で億は稼げません

2021年3月、小説家になって億を稼ごうという衝撃的な本が発売されました。内容はもとより、タイトルに衝撃を受けた人は多いでしょう。現役小説家による赤裸々な実態を綴った本書は、ベストセラーとなりました。

そして2021年12月、作家で億は稼げませんというさらに衝撃的な本が発売されました。こちらも現役小説家による赤裸々な告白です。

しかし読者としては、いったい小説家で億を稼げるのかどうか、気になりますよね。そこで両書を読み比べ、小説家が億を稼げるのかをまとめます。

目次

小説家は億を稼げるのか

結論から言うと「稼げるけど、そこまで稼ぐ作家は少数」ということです。まあ、当たり前ですよね。

職業ごとに平均年収があり、さらに年収の上限があります。例えばマッサージ店であれば、一人あたりの接客時間と単価、一日の回転率やスタッフ数を計算することで、おおよその売上予想が立てられます。

しかし小説は、一冊完成したら売上に上限はありません。無名作家であれど、社会的ブームになるほど売れる可能性もあります。そういった意味で、小説家は「億を目指せる」職業なのです。

小説家になって億を稼ごうでは「小説家は夢のある職業だ」として、世間的な稼げないイメージを払拭するための本でした。

多くの小説家が億を稼いでいない状況

しかし、すべての小説家が億を稼げるわけではありません。それが作家で億は稼げませんで言わんとすることです。

確かに小説は、売れたら青天井です。しかし売れなければ、原価割れも大いにあり得る職業です。
※ここでいう原価とは、出版コストだと考えてください。

出版社では印刷や製本といった本作りに関わることから、編集者の給料やイラストレーターの外注など、様々な費用がかかります。直接的に著者に請求されることはなく、出版社の持ち出しです。売れて費用を回収できればいいですが、売れなかったら出版社は赤字です。売れないものに費用はかけられないので、次のオファーはなくなるでしょう。

2019年内に出版された本は71,903冊。(総務省統計局ホームページ 書籍の出版点数より)
しかしあなたは1年でどれだけの本を読んだでしょうか。いや、買ったでしょうか。

多様な娯楽が溢れかえる昨今、出版市場は縮小の一途をたどっています。そんな出版不況の中で億を稼ぐには、売れる作品を量産する必要があるのです。

億稼ぐ必要があるのか?

しかし、一度立ち止まって考えてみてください。

あなたは本当に「小説で億を稼ぎたい」のでしょうか?

大抵の人は「普通に生活できればいい」「ちょっとリッチになれればいい」くらいなのではないでしょうか。

ちなみに幸福度と収入は比例しますが、年収800万円程度で幸福度が頭打ちになります。
高所得とされる人々の年収は、1000万円です。

つまり小説で800万円程度稼げれば、それなりに幸せになれるはず。1億円に比べると、グッとハードルが下がりますよね。

さらに言えば、今と同程度の年収が印税だけで稼げたら。現職を辞めて小説だけの生活になれたら幸せという人も多いのではないでしょうか。

小説家は、サラリーマンの年収ほどには稼げます。そのために何をしたらいいかが、両書で紹介されているメイン内容になるわけです。

小説家は普通に食っていける職業である

小説で億は稼げます。しかし本当に稼げる人はごく少数でしょう。しかしサラリーマンと同程度には稼げるし、普通に食っていける職業です。諦める必要はありませんが、過度な期待はしない方が無難ですね。

小説家として生きていくために必要なことが、両書には惜しげもなく記されています。これから小説家を目指す人は、ぜひ読んでみてくださいね。

まずはコチラから

アンサーとして、次はコチラを

推薦図書:新人賞をとらずに著書50冊私の「とっておき」ラノベ作家デビュー術

小説家のサバイバル術としては、私は本書が最も具体的で、再現性が高いと思います。私に近いからそう思うだけかもしれませんが。

もし紹介した2冊が合わないと思ったら、ぜひ本書も読んでみてくださいね。

宮本くみこ
ライター
小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。
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