「歴史を題材にした小説が書きたい!」と思い調べると、「歴史小説」と「時代小説」があると知りました。
いったいどう違うのでしょうか。調べてみました。
本記事では歴史小説と時代小説の違いをご紹介します。
歴史小説と時代小説の違い
一番大きな違いは事実に基づくかどうかです。詳細は表にまとめました。
歴史小説 | 時代小説 | 歴史ファンタジー | 仮想戦記 | |
---|---|---|---|---|
史実の有無 | 基づく | 基づかない | 改変する | 改変する |
登場人物 | 実在の人物 +α | 架空の人物+α | 架空の人物 +実在の人物 | 架空の人物 +実在の人物 |
主な時代 | 近現代も含む | 江戸以前 | いつでも | 戦ができる時代ならいつでも |
誤解を承知でザックリまとめると、それっぽく書ければ、時代小説は歴史の知識なしでOKということになります。
しかし時代小説と歴史小説に明確な区分があるわけでもなく、歴史ものとして両方とも愛されている印象です。
歴史小説とは
歴史小説は史実に基づいて書かれています。実際の出来事や登場人物に、自分が想像したエピソードや登場人物を追加していく形です。
史実に基づくため、歴史改変はNG。歴史という枠組みの中でいかに創造性を発揮できるかが作者の腕の見せ所となります。
時代小説とは
時代小説は史実に基づかず、登場人物も作者のオリジナルで登場させられます。「物語の舞台を実在の時代に設定したフィクション」という感じでしょうか。
「歴史の教科書を一切忘れて、江戸時代を舞台にした世の中でどんな物語を展開させるか」といった形で考えてみましょう。
史実や歴史上の出来事などが書かれているとリアリティが出ますが、必須ではありません。より自由に書きたい方は時代小説がよいでしょう。
歴史ファンタジーとは
史実を思いっきり改変した作品は「歴史ファンタジー」という扱いになります。
たとえば「織田信長が明智光秀を返り討ちにしたら」「江戸幕府が開かれなかったら」などなど。
戦いに特化したなら作品なら「仮想戦記」というジャンルになります。
これらはエンタメ作品として扱われるので、いわゆる時代ものとは異なると思った方がよいでしょう。
歴史小説と時代小説は別物
史実の踏襲具合によって、歴史小説と時代小説は大別されます。しかし厳密に区分されているわけではないので、両作品とも愛読したいものです。
初心者が書くなら時代小説の方が取り組みやすいでしょう。史実に基づく分、歴史小説の方がハードルが高いですが、書いた時の達成感は大きいはずです。
あなたの知識レベルに合わせて、理想とする作品を書き上げてくださいね。
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実は歴史小説or時代小説の書き方の入門書はほぼ発売されていません。(おすすめ本の案内本は多いのですが…)
現時点で容易に手に入るのがこちら。3作家の創作術が知れるのでオススメです。