基本的に自伝は読まれません
私が自伝講座でよ~~く言ってることですが、先日身に染みて「ああ、自伝ってマジで読まないな」と思ったエピソードがありました。
そこで本記事では私の体験談を元に一般人の自伝が読まれない理由をご紹介します。
終活の一環として書く人は要注意! 「自分の葬式で自伝を配ろう」と思う人が知るべき残酷な現実も併せてご覧ください。本記事より悲惨です……。
自伝が読まれない理由
自伝が読まれない理由は、次のとおりです。
- 他の娯楽に劣る
- 知名度勝負になる
他の娯楽に劣る
読むのが大変な本は、娯楽として選ばれにくいのが現状です。世の中には、多種多様な娯楽がありますよね。情報を得るなら、読みやすい漫画や手軽に見れる動画に勝てません。
また、現代人は多忙です。そして裕福ではない。貴重な時間とお金を使ってでも「読む価値がある」と思わない限り、あなたの著作は読まれないでしょう。
知名度勝負になる
中には好んで自伝を読む人もいます。しかしよく知りもしない&面白そうじゃない人の自伝を読むでしょうか?
そのことを実感したエピソードがあるので、ぜひ下記を読み進めてください。
体験談:図書館で自伝を探したら
先日、自伝を読みたいと図書館に行きました。世間一般で想像する「自伝」がどのようなものか、調査するためです。何でもいいので、数冊借りようと思いました。
自伝はどこに配架されるのか
一般図書コーナー、文庫コーナーに行きましたが、思ったより自伝がない。「そもそも置いてないのかな?」と思い、館内の検索端末で調べると、百冊近く出てきました。「いったいどこにあったのか?」館内地図を調べると、別途「自伝コーナー」があることを知りました。
私は週三で二年ほど図書館に通っていますが、自伝コーナーがあることを初めて知りました。
自己弁護する気はありませんが、自伝コーナーにわざわざ行く人はどれくらいいるのでしょうか? 自伝コーナーの存在を認知している人も少ないかと思います。
自伝コーナーの著者名がヤバイ
自伝コーナーに行くと、充実の品揃え。日本&海外でコーナー分けしてあるほどです。
さて、どれを読もうか。ザっと背表紙に目を通しました。明智光秀、伊藤博文、福沢諭吉……偉人たちの名前がズラッと並んでいます。ここが偉人専用コーナーというわけではありません。中には偉人じゃない人もいます。ただ知らない名前があると「誰コレ?」と違和感を覚えますね。
偉人の自伝は、本人作ではないものもありました。別作家による著名人の人生を研究した本でしょう。
もしあなたが自伝を出せば、偉人と同列に並ぶことになります。自伝の魅力で、明智光秀に勝てるか。そこが問題です。
タイトルから漂うつまらない感
今回は一般人の自伝が読みたいので、歴史ものは遠慮しました。そこで再度背表紙を見るのですが、どれも惹かれない。タイトルからどんな本か、まったくわからないのです。
何をした人かもわからない。どんな内容なのかもわからない。結局わからないので、読む気がしないのです。
作者本人を知る人なら、読んでくれるでしょう。価値もわかるはずです。しかし全くの他人にとっては、よほど魅力がない限り読む気が起きない。タイトルや背表紙、帯などで「面白そう」と思わなければ、読者は手に取りすらしないのです。
知名度と「その本じゃないと知れない感」がすべて
そんな中、「これは」と思ったのが有名人の自伝です。アントニオ猪木と乙武洋匡さんの自伝を借りてきました。
有名人は「どんな人か」だいたい知っているので、それなりに内容が予測できますよね。その上で「もっと知りたい」と思いました。どんな苦労があったか。どんな生涯かが気になります。何を思って生きてきたか、知りたくなるでしょう。
他にも借りてきましたが、結局は自伝は本人の知名度と企画(その本じゃないと知れない感)がすべてだと学びました。
今回借りた本はこちらです
一般人の自伝は読まれない
本記事のまとめは、次のとおりです。
- 自伝は見つけにくい
- タイトルから内容は判別不能
- 偉人&有名人の方が魅力的に見える
一般人の自伝は、よっぽど「読もう!」と思われない限り、読まれないでしょう。他のものに押され、存在すら認知されないのがオチです。
かなり残酷なことを書いたので、気を害したならゴメンナサイ。ただ、ちょっと考えてみてください。
あなたは今まで一般人の自伝を読んだことがあるでしょうか?
例えば私の自伝があるとして、読んでくれるでしょうか?
……「今あなたが思ったことは、他人も同じように思う」ということを忘れないでくださいね。
推薦図書:もっと読みたいと求められる自伝の書き方
自伝を「書いた後」にフォーカスすることで、より読まれる自伝になります。本書では自伝の書き方から売り方まで、一貫して解説しています。