どの小説家から学ぶべき?|小説の書き写しにおすすめな作家の探し方

もっと上手に小説が書けるようになりたい」と思った時、目標となる作家を見つけることはとても重要です。作品を分析したり書き写すことで、あなたの文章力を大幅に向上させることができるでしょう。

しかし、どの作家から学べば良いか迷いますよね。

本記事では目標とすべき作家の見つけ方をご紹介します。

目次

目標とすべき作家を見つける前に

前提として、創作力アップには二つのパターンがあります。

  1. 理想に近づく
  2. 自分の長所を伸ばす

学び方は同じです。しかし目的地が異なります。学習時に意識すべき場所が微妙に変わるので、自分はどちらが良いのかを事前に考えておきましょう。

言うまでもなく、両方を満たせられる作家を見つけられたら最高です。しかし今すぐに見つからない場合は、どちらかをお好みでお選びください。

理想に近づく

すでに好きな作家や目標としたい作家がいるなら、その作家から学んでください。

ここで大事なのは「真似したいのが、文章なのか内容なのか」ということです。

時として「内容だけ素晴らしい」「文章だけ素晴らしい」という作家に出会うことがあります。あなたは、その作家から何を学びたいのでしょうか。あらかじめ理解しておかないと、思うように学習結果が出なくなるでしょう。

ちなみに「内容は自分に合わないけど、文章力はすごいから学びたい」という作家がいるかと思います。しかし文章とは「作者の思想」そのものです。あなたが人として合わないと感じる作家とは、どうしたって合いません。これはあなたの責任ではなく、人として当然なことです。だからそこは事前に割り切って学ぶか、敬遠してもOKです。

もし内容・文章ともに自分に合う作家を見つけたら、是非その作家から学びましょう。また、書きたいものに近い作品があれば、徹底的にその作品から学ぶことです。

自分の理想と近い作品から学ぶことで、得られるものが増えるでしょう。

<参考>私が目指している作品

私はヴェルヌの小説が大好きです。内容や物語構成も最高ですが、何よりその知識量! 専門外の知識でも、専門家顔負けの素晴らしい描写に惚れ惚れします。

「ヴェルヌのように重厚な文章が書けたらなぁ」と思いながら、私はいつも読んでいます。

自分の長所を伸ばす

もし特に作家のこだわりがないのなら、あなた自身の長所を伸ばすと良いでしょう。そもそも持っている美点だけあって、成長させやすいのも特徴です。

では、どうやって自分の長所を見つけるか。そんな時は「文体診断」がおすすめ。私は文体診断ロゴーンというサイトを愛用しています。

小説 文体診断」でググれば多数出てきますので、お試しあれ

自分の文章に近い文豪を教えてくれるので、その作家を参考にするとよいでしょう。

<体験談>ロゴーンを使ってみた

私の小説を分析したところ、以下のようになりました。(※敬称略)

  • 1位 阿刀田高
  • 2位 海野十三
  • 3位 江戸川乱歩

私はショートショートから小説を書き始めたクチなので、阿刀田高に近いのはまぁ納得。江戸川乱歩は大好きなので、とても喜びました。しかし海野十三(うんの じゅうざ)という名は、初めて聞きました。これまで一度も読んだことがありません。

実は、これまで数種類の作品を文体診断したのですが、高確率で海野十三が出てきます。「そんなに近いのか」と思って実際に作品を読んでみたところ、なるほど納得。おこがましくも「自分っぽいなぁ」と思いました。

その上で江戸川乱歩を読んだら「この作品が自分に近いものとして表示されたのかも」と思える作品に出会えました。全作品を片っ端から読む必要がなくなったのもありがたいです。

客観的に「あなたの文章はこうだ」と評価されることで、思いがけない発見がありました。自分の知らない自分に出会うことができるのでぜひ試してみてください。

<参考>海野十三を読んでみた

私が最初に読んだ海野十三作品は「三人の双生児」です。もう素晴らしすぎて、ゾクゾクしました。これから他作を読むのが今から楽しみです!

目標とする作家が見つかったら

学ぶべき作家が見つかったら、分析や書き写しをして学ぶとよいでしょう。書き写しのメリットについてはここでは省略します。

しかし、ただ書くだけではもったいない。ここからは目的別に、どのような着眼点で学ぶべきかをご紹介します。

理想とする作家に近づきたい

理想とする作家や文章がある場合は「この作品のどこが良いか」を学びます。

特に自分にできない場所は要チェック。自分の作品を書く時に、作家の素晴らしい点を意識して書いてみてください。ワンランク上の作品を書くことができるでしょう。

自分の長所を伸ばしたい

参考とする作家がいる場合、自分と作家との類似点・相違点を探します。

自分にできる・できないを見極めた上で学ぶことで、効率よく学ぶことができます。言葉遣いなのか、物語構成なのか、セリフの言い回しなのか。自分にできない箇所を掘り下げることで、あなたの課題が見えてくるでしょう。

どちらのパターンにしろ、その作家を選んだからには「何かしらの選んだ理由」があるはずです。だってどんなに文豪でも、ダメだと思ったら選ばないはずですから。

なぜ選んだのか・何が素晴らしいのか・どこが良いのかを掘り下げていきましょう。そして、そのポイントを自分の作品に取り入れていきます。そうすることであなたの成長が早まるでしょう。

目標とすべき作家を見つけよう

小説を勉強する時、目標とすべき作家を見つけることはとても重要です。その探し方には、以下の二つがあります。

  1. 理想に近づく
  2. 自分の長所を伸ばす

目標とする作家を見つけたら、その作家の素晴らしい点を学びましょう。そして自分の作品に取り入れます。そうすることで、あなたの成長をより早めることができますよ。

宮本くみこ
ライター
小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。
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