放送大学、やめよう
とあることがきっかけで、私は放送大学を辞めました。もちろん円満退学です。
本記事では、私が放送大学を中退した理由をお話ししますね。
脚本家の圧倒的知識量
私が放送大学中退を決意したのは、シナリオ学校に通っていた時のこと。数多くの脚本家と話す機会がありました。プロの脚本家は、とにかく知識量がすごいのです。
ある時、「この世界の片隅に」の話題になりました。そこで先生は「戦時中の障子のバッテン」について解説。まるで自分が書いたかのように、スラスラと解説していました。あまりに詳しくて、先生が時代考証したのかと思ったほどです。
「なんでそんなことまで詳しいのか」と聞くと、「以前とあるシナリオを書く際に調べた」と言います。
同様のことが多数ありました。そのたびに知識量について質問すると、どの先生からも、決まって同じ答えが返ってきました。
話題になった作品はこちら
放送大学の知識は役立つのか
放送大学での学びは、基本的にインプット。教科書にある内容を覚え、放送授業で理解を促す。そしてテストでいい点を出す。つまり教科書を丸暗記すれば、いい点が出せるのです。
しかし、そうして覚えた知識に、何の価値があるのでしょうか?
前提として、教科書の内容が「正解」になっています。しかし学説や論調が変われば、その知識は無駄になるでしょう。
教授の書籍を読み、丸暗記する。授業は、そんなイメージでした。好きじゃない科目は「作業」になりましたね。
また、教授の著作が使用されるのですが、果たして教授の学説は正しいのでしょうか? 大学側の選んだ教授以外、選べないのですから。
だったら、好きな新書を自分で選び、気になる知識を蓄えた方がいい。そっちの方が幾分自分にとって役立つと思えました。
脚本家の知識量を前にしたら、「大学で学んでも無意味だ」と確信。私は退学を決めたのです。
放送大学で身についたこと
しかし、退学から数年経過した今でも、放送大学の学びは役に立っています。自分一人だと決して選ばなかったジャンルに触れ、知識が増えました。
また、本の選び方を学べたのが良かったですね。「本を選ぶということは、著者の説を選ぶということ」と確信。より専門性のある著者を選ぶようになりました。
気になる授業や講座があれば著者を調べ、「本で知れそうだな」と思えば高額の費用を支払って講座に行く必要すらありません。別大学の教授であろうとも、私の好きなタイミングで学べます。
放送大学で何を学びたいかが一番大事
放送大学に通うことは、大いに意味があります。しかし「知識が欲しい」だけなら、世にある本を片っ端から読んだ方が学べるでしょう。
学んだ感じは、読書と通信教育は大差なし。あなたの貴重な時間をかけてまで、大学に費やす必要があるのか考えましょう。本当に知識がある人に出会い、私は「もっとすべきことがある」と感じました。
大学で学んで、あなたは何を得たいのか。もし入学を考えている人は、この点を大事にしてくださいね。
推薦図書:『古事記』と『万葉集』 (放送大学教材)
私の一番好きな授業です。カリキュラムが終わった時、めちゃくちゃ悲しかったですね…。多田一臣先生の授業は、もっと聞きたかったです。