トラベルライターになりたいです!
先日、旅行記の書き方講座を作ったのですが、ライターとして旅行に関する記事を書きたい人から応募がありました。
この申込みは、正直想定外でした。なぜなら旅行記事と旅行記は、まったくの別物だから。
旅行記事はルポやノンフィクションとも異なる、独自な文章です。
本記事では、旅行記事とは何かについて解説していきます。
読み終えた頃には、自分の書くべきものが見えてきますよ。
▽旅行記とルポタージュの違いはこちら
→ルポタージュと旅行記の違いとは|内容、書き方の違いまで
旅行記事とは
ここでいう「旅行記事」とは、WEBライターとして納品する記事を指します。
記事の題材が旅行なだけで、他ジャンルのライティングも同様です。
一方、トラベルライターが出版社に寄稿・出版する内容を、本記事では「旅行記」と呼びます。
同じくトラベルライターが書いているのですが、性質が違うため、本記事に登場する旅行記事はネット記事(WEBライティング)限定でお話しします。
また、ブログやSNSで気ままに綴る旅のエピソードは「エッセイ/随筆」と称します。
内容的には「旅行記」に大別されますね。
ややこしいですが、続きを読めば理由が理解できるでしょう。
旅行記事と旅行記の違い
これらの違いはズバリ「商品」。そもそも書く目的が違うのです。
売り物 | 読者が読む目的 | |
旅行記事(メディアに納品) | 旅行、ホテル等 | 自分の旅情報を得る |
旅行記(エッセイ) | 文章、作者の体験 | 作者のエピソードを楽しむ |
旅行記事は、いわば宣伝文。
売りたいものがあって、その紹介のために添える記事です。
つまり旅を売るために、「旅行に行きたいな~」と思わせる。そのためにあなたの文章を使う。そんなイメージです。
体験談というより、レビューに近いでしょうね。
旅行記は、文章そのものが商品。
読者はその文章を読むことに意味を見出します。
書籍にしたって読まれる、そんなイメージですね。
メインはあなたの体験で、それを知りたくて読者は読みます。
あなたの体験がメインになるか、添え物になるか。似ているようで、大きく違います。
例:タイ旅行を書くなら
旅行記事と旅行記では、読者も見る目的が異ります。
たとえば、あなたがタイのアユタヤ遺跡に旅行したとします。
旅行記を書くなら
自分の思い出を書きたいなら、旅行記になるでしょう。エッセイで書いた方が、気ままで楽しく書けます。
「アユタヤ遺跡で不思議体験⁉」なんて記事があったら、面白そうですよね。ついクリックしたくなるでしょう。
旅行記事を書くなら
実際にあなたが巡ったコースよりも、王道コースや読者が喜びそうな情報を書きます。
もし旅行記事として納品するなら、「アユタヤ遺跡の巡り方」のような内容になるでしょうね。
あなたの体験談は、内容を補強するための添え物。
読者が「読みたい!」と思うような、タメになる記事を書くことが求められます。
トラベルライターは何を書いているのか
あなたの体験談は有益です。
独自性のあるコンテンツは上位表示されやすいので、SEO的にも強いでしょう。
しかし旅行記事を読む人は「自分の旅行に役立つ情報」が知りたくて読みます。
自分に有益でなければ、あなたの体験談など興味ないのです。
だからメディアに納品する旅行記事は、自分の意に沿わない文章を書くことも多々あります。
宣伝のためなら、捏造する必要もあるのです。
試しに旅行メディアの人気記事を読んでみてください。
多分「人気観光地 〇選」のような記事ばかり出てくるでしょうから。
もし「自分の旅を、好きなように書きたい!」と願うなら、旅行記やエッセイで書きましょう。ブログや電子書籍で自主公開した方が、反響がありそうです。
旅行記事と旅行記はまるで違う
旅行記事と旅行記の違いは、次のとおりです。
- 商品の違い(旅行/文章)
- 読者が求められるものの違い
自主発信しない限り、トラベルライターはクライアントの作業員です。指示された内容しか書けないし、意にそぐわない記事は修正対象でしょう。
こんな記事は、正直誰が書いても同じ。
もちろん上手・下手はありますが、あなたがわざわざ書くことではないと私は思うのです。
もし「自分の旅行を発信して、お金を稼ぎたい!」と思うなら、ブロガーを目指してください。または電子書籍でセルフ出版を目指しましょう。
その時、本講座やブログが力になるはずです。
推薦図書:誰にでも描ける!k.m.p.の、イラスト旅ノート。
気軽に旅記録を付けるなら、イラストも有。インスタに発表したら映えそうですね。