【考察】創作物への過度な自主規制の理由&創作者がすべきこと

最近の作品って、行き過ぎた自主規制のせいで面白くないと思いませんか? 配慮すべき要素が多すぎて、クリエイターにとってもやりづらいです。

そんな時、あることに気がつきました。

本記事では「なぜ自主規制が起こるのか」を考えた上で、同時に解決策も考えていきます。

目次

なぜ創作物の自主規制が行われるのか

最近のテレビは過度な自主規制が顕著ですよね。本当は規制する必要がない部分でも、先回りして押さえつけている印象です。

ではなぜ自主規制が起こるのか。それは不買運動が起こるからです。

テレビ番組は「スポンサーからの広告費」によって制作されています。スポンサーが広告費を支払うのは、スポンサーの商品を紹介したいから。引いては商品が売れ、スポンサーの利益に繋がるからです。

あくまで営利活動の一環として番組に資金提供しているのですね。視聴率が高い番組はそれだけ宣伝効果が高いから、面白い番組を作ろうとするわけです。

面白いを重視するのは変わりませんが、最終目的が「営利」という点を間違えてはいけません。

しかし資金提供している番組で、少しでも不愉快な場面があれば、視聴者からクレームがきます。抗議の活動の一環として、スポンサー商品の不買運動が起こる可能性もあります。不買なんてされたら、スポンサーはたまったもんじゃないですよね。広告費どころか、見込んでいた売上すら得られないでしょう。

スポンサーへの不買運動が起きないように、テレビ制作側は「視聴者の気に障らない番組」を作ります。

かつては視聴者もおおらかでした。かつてはクレーム手段が電話しかなく、不買運動が起こっても小規模だったでしょう。

しかし現代の視聴者の目は厳しい。それにネットがあります。不祥事をリアルタイムで共有可能。すぐに&大規模にクレームや不買運動ができるようになりました。

その結果、過度に自粛されまくった番組が生まれるのです。視聴者側が変わらない限り、面白くない番組は今後も量産され続けるでしょう。

例題としてテレビの話をしていますが、どの業界も概ね同じ。映画業界は観客動員数が大事だし、文学賞や公募も書籍を売るための手段です。

すべてに共通して言えるのが「お金にならない」が本質的な問題ということです。

クリエイターが伸び伸びと創作物を作るには

スポンサー、ひいては一般のお客さん(購入者)が力を持つ以上、クリエーター(作り手)はノビノビと活動ができないのでしょうか。

この対抗策の一つに「お金をもらわないで活動する」があると私は考えます。

利益ありきで作るから、利益が得られずに苦しむのです。だったら最初から利益など期待せずに作れば、利益がないことに苦しまないでしょう。

つまりは非商用。同人活動や自主制作といった形になります。

利益が得られないと、ぶっちゃけ困ります。お金に困っていたら活動すらできませんし。

しかし本当に素晴らしい作品なら評価されるでしょう。多くの人が口コミで広め、人気が出るはずです。

人気が出て、さらに大きいことをやろうとすれば、有料でもお客さんはついてきてくれます。もしかしたら大企業が着目し、何かしらオファーをくれるかもしれません。

このように無料であっても、何らかの形であなたの活動が利益に結びついていきます。

理想論だといわれるのは、わかっています。ただ数多の娯楽がある現代で、無料でも読まれない作品が商用として通用するとは思えません。無料でも読まれないなら、やり方を見直した方がよいでしょう。

まずは利益や売買などを一切考えず、無料公開すべき。本当に価値があるなら、そこから道が拓けていくはずです。

無料公開から繋がる未来

これまでの本は「売れなければ」収益にならない&読まれないがデフォルトでした。

しかし今は無料で作品が公開できる時代です。小説投稿プラットフォームも整い、一定の読者も集まっています。

有料機能がなかったり大した金額を稼げないサイトもあります。しかし受賞や書籍化されていない作品が読まれるって、すごくないですか? 受賞できずパソコン内で眠っていた作品で10円でも稼げたら、スゴイと思いませんか?

小説家にとって、無料公開は決して悪い流れではありません。

電子書籍やネット小説は、今後もニーズを増していくでしょう。ウェブで人気になった作品が書籍化されるなど、小説業界を盛り上げる意味でも「ネット小説」は見過ごせない存在になっています。

一方、従来どおりの出版方法はどうでしょうか。従来どおりなら、まだ良い。むしろ退化しているように思えます。

詳細は、従来の「小説家になる方法」は今後通用しないかもしれないをご覧ください。

もしあなたが応募したい賞がなかったり、書いた作品が応募規定に合わないのであれば、ネット小説に着手するのも手。人気が出れば受賞するよりもはるかに好条件で書籍化&印税をもらうことができますよ。

公募探しの参考にどうぞ
文芸作品向け【目的別】公募の選び方~手当たり次第に応募するのは危険かも…

利益関係なく作り、後から利益を得よう

非商用であれば、過度に自主規制する必要はありません。もちろんサイト規定や法令を遵守する必要はありますが、より自由に作品が作れるでしょう。

あなたが好きな作品を書いて、読者に喜ばれる。さらにそれが書籍化デビューに繋がっていく。

ネット小説には可能性しかありません。もしあなたがためらっているようなら、ぜひ一度踏み出してみてはいかがでしょうか。

推薦図書:のめりこませる技術 ─誰が物語を操るのか

これからのエンタメのあり方について学べる一冊。小説だけでなく、漫画やYouTubeにも役立つでしょう。知らないと損する内容です。

宮本くみこ
ライター
小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。
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