シナリオ学習者がアニメを見始めた理由|とある小説書きのつぶやき

小説を書いて二十余年。より面白い物語を作るためにシナリオを学びました。本格的に学んだのは4年ですが、今なお学び続けています。

映画やテレビドラマ・ラジオドラマなど一通り学び、自分としては創作術を学びつくしたと思っています。そんな私ですが、最後の難関を学ぶために、今アニメを見まくっています。

シナリオを学びつくした私が、なぜ最後にアニメを見るのか。何を学びたいのか。本記事ではそのことをご紹介します。

目次

アニメはキャラクターの宝庫

今までの私はプロットや構成など、物語の土台部分を学んでいました。これ自体は有益ですし、学ぶ価値があります。でも最終的に「いい作品」となる決定打は、キャラクターの魅力だと思ったのです。

正直な話、プロットはスキルです。学べば誰でも身に付けられます。もっというと既存作品から拝借したり、複数の作品を継ぎ接ぎして作ることも可能です。100%新しいものは生み出しにくい状況です。

物語においてプロットは大事ですが、作品内の土台部分だと理解しておきましょう。

ではどこで差が生まれるのか。面白さはどこから出てくるのかを考えた時に、キャラクターだと行きつきました。よいキャラクターが出せれば、平凡なプロットでも魅力的なストーリーになると思ったのです。

どの作品でもキャラクターは学べます。しかし生身の人間である以上、俳優などが登場する映画やドラマには限界があります。(役者イメージや世界感の設定など)

そこでより自由に表現でき、かつキャラクター性を重視されるアニメを見て学んでいるわけです。

もちろん漫画や小説でも構いません。ただ読むのに時間がかかるため、サクッと見れる映像作品を選んでいます。

キャラクターより重要なこと

そんなわけで、ここ一カ月ほどアニメを見まくりました。そして気づいたことがあります。それはキャラクターは重要ですが、より魅力的に見せるには人間関係が大事ということです。

創作していると、ついキャラクター単品(点)で考えがちです。しかし重厚な物語にするには、キャラクター同士の関係性(面)がとても大事になってきます。

長編作品は一人一人のキャラクターが濃いだけでなく、複雑な人間関係が構築されています。AがBの友達でありCの敵であり…など、一人で複数の属性を背負うことになります。

人間関係から新たなエピソードが生まれるので、ネタも豊富になります。より重厚で複雑なストーリー展開が可能になるでしょう。

人間関係を学ぶにはどうすればいい?

アニメを見て思ったのは、人間関係のあり方は現実世界と何ら変わらないということです。

アニメではぶっ飛んだ設定ができる分、普遍的な人間のあり方やリアルな人間描写を感じることができました。

作品を見て学ぶのもいいですが、本質的な人間関係を学ぶのが一番の近道だと考えます。心理学やコミュニケーションの専門書を読むといいでしょう。ネット掲示板の愚痴とかを読むのも勉強になります。

ちなみに、個人的にはこれまでの人生の積み重ねがあったおかげで人間関係が学びやすくなったと考えています。思うように学びの成果が出なくても、「一生懸命に生きる」ことも創作の糧となることを忘れないでください。

アニメはシナリオ勉強の糧になる

没頭しすぎてしまうため、私はあえて漫画・アニメを見ないようにしていました。解禁した今、自分でも引くくらいアニメを見ています。

キャラクターだけでなく構成や引きの作り方など多くのことを学べるので、ぜひたくさん見てくださいね。

推薦図書:アニメーションの脚本術 プロから学ぶ、シナリオ制作の手法

アニメーションに特化したシナリオライター、アニメ作家による書籍。創作術だけでなく、インタビューが読めるのも嬉しい一冊です。

宮本くみこ
ライター
小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる