私が開催する小説講座には、真剣にプロを目指す人も受講します。
応募歴があるし、書きたい作品像が明確になっている人も多いですね。
ただ、読むまでもなく「落選するな」と思う人がいます。
本記事では、落選する人の特徴をお伝えします。
なお、私はプロ作家でも審査員でもありません。一個人の意見として、お読みくださいね。
落選する人の特徴
落選しそうだと思うのは、ズバリ「伝えるのが下手な人」。
文章だけでなく、受講前アンケートや講座中の会話がとにかく下手です。
何が言いたいのか、理解不能。
「何かを伝えたい」のは理解できるのですが、聞いてる方としては「…で?」という印象です。
また、理解できずに質問すると、逆切れしたり小馬鹿にしてくるのも特徴です。
伝え方が下手とは
伝え方が下手として、二つの原因があります。
- 内容が無関係
- 伝え方が下手
大抵は「内容が無関係」ですね。
YES・NOで答える質問に記述式で答える、そんなイメージです。
特に創作畑だと、内容もない上に伝え方が下手な人が多いです。
【実例】伝え方下手な受講生の話
先日、小説講座を申し込んだ人から、こんなメッセージが届きました。
7月13日の土曜日、講座を楽しみにしています。
これだけ見れば、普通の文章です。しかし分析すると、次のような矛盾が生じました。
- 申込日は、7月4日(土)
- 13日は平日(土曜日じゃない)
- 申込アンケートに「平日の午前中希望」と記載
これじゃあ4日なのか13日なのか、わからないですよね。
ただ、本人はわかっているんです。
だから自分では「ちゃんと書いていると」本気で思っています。
でも私にはわからない。
この文章、どちらにも受け取れるんです。だから確認のため、質問するわけですね。
それなのに「なぜわからないんだ」と切れても、私はわからないんだからしょうがないんです。
そもそも本人の考えなんて、本人しかわからない。
人類にエスパー能力は標準装備されていません。だから相手の考えなんて、知りようがない。
個人間の連絡だからこのような内容にも返信していますが、これがネット記事や小説だとどうでしょうか。
きっと「理解不能」として、放置するかと思います。
しかし残念ながら、このような小説書きは多いのです。
なぜ日常文章が創作にも通じるのか
「ただの日常会話で下手認定するなんて、横暴だ」と思うかもしれません。
確かに、小説は抜群に上手い可能性もあるでしょうしね。
でも、私は日常的な文章が下手な人は、創作も下手だと思います。
なぜなら日常的な文章よりも、創作の方が上位にあるからです。
根拠のある実用文
日常的な文章(例えば、連絡や会話、SNS投稿やネット記事)は、実体があります。
発信するのは、実体験や事実。
調べれば、何かしらの「根拠」や「類似した内容」が出てくるでしょう。
すでにあることについて「書くだけ」なので、書くことに注力できます。
また、他の人が「どのように書いているか」を比較し、勉強することも可能です。
実用文には、どこかに「正解」があるのです。
根拠のない創作文
しかし、創作には実体がない。すべて作者の脳内にある情報です。
調べても、正解は出てきません。
作者が適切に発表しない限り、それは存在しないのです。
創作には、書く+「考える」作業です。
考えるがショボいと、素晴らしい筆力をもってしてもショボい内容になるでしょう。だから書く力と考える力、両方が必要になるのです。
創作は、より高次な文章です。日常的な文章が下手な人には、扱えないと私は考えます。
伝え下手な物書きに伝えたいこと
まずは「読者に理解してもらう」を意識しましょう。
あなたがどんなに熱意を持っていても、伝わらなかったら意味がありません。
ただ大抵の読者は、あなたの熱意などどうでもいい。関係ないし、興味もありません。
だからあなたは「面白い」に苦心しているかもしれませんね。
しかし面白いの前段階に「理解」があります。理解できない内容は、興味すら持たれません。
だから、まずは理解を優先させましょう。その上で、面白いを目指すべきです。
伝わる伝え方は、技術が存在します。この機会に伝え方を学んでください。伝え方を学ぶ経験は、きっと無駄にならないはずです。
伝え方が下手な人は落選しやすい
本記事のまとめは、次の通りです。
- 創作する人は「伝え方が下手」な人が多い
- 読者への理解を優先すべき
- 読者に理解されなきゃ、評価されない
面白い以前に「意味がわからない」で止まっている人は、受賞できないでしょう。
目の肥えた審査員なら、もしかしたら理解してくれるかもしれません。
しかし最終的には、商品化された受賞作を読むのは一般読者。一般読者に、審査員ほどの読解力は期待できません。
一般読者が理解できないような伝達力では、そもそも商品化は難しいですね。受賞は無理です。
しかしながら、創作する人は、伝え下手な人が多い。この機会に伝え方を学び、「読者への理解」を優先して書いてくださいね。
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