従来の「小説家になる方法」は今後通用しないかもしれない

先日「ウェブ小説の衝撃」を読んだ。そして驚愕した。

私は小説家を目指して今まで公募に応募している。多数応募したが、一向に成果なし。しかし本書を読んで「頑張り方を間違っている」と気づけた

【参考】受賞できない理由を考察した記事はこちら。
公募に落選しました|やっぱり長編小説が書けないと厳しい

本記事では、これからの小説家デビューネット小説の重要性について解説していく。

なお、詳細を知りたい人は本書を読んでほしい。きっと目から鱗が落ちるはずだ。

目次

「ウェブ小説の衝撃」で知った衝撃の事実

結論から言うと、出版社からデビューしても小説家として通用しない
これからはWeb小説の方が有利ということだ。

もちろん異論もあるだろう。私も紙媒体派し、できるなら公募や出版社からデビューしたい。

しかし本書で知った事実は、従来の考えを一変させるには十分なものであった。

公募からのデビューは難しい

「紙の本が売れない」という話はよく聞くだろう。有名な雑誌も続々と廃刊し、最近は電子書籍を読むという人も多い。

書籍自体は売れていても、「紙媒体で出す」ということに、出版社はかなり慎重になっているようだ。

売れない本を出版するのはリスクが大きい。出版するにしても「確実に売れる本だけ」出したいのが出版社の本音だ。

そんな出版が難しい中、ぽっと出の新人が書いた本がどれほど売れるだろうか。

確かに「期待の新人」や「〇〇大賞作品」などの話題性はある。しかし売れるという保証はどこにもないのだ

もし一回出版して売れないようなら、次回以降の起用は避け、確実に売れそうな有名作家に依頼するだろう。初作品でコケた新人作家はそれっきりだ。

「有名になる」「箔をつける」という意味では、文学賞に意味はある。しかし「小説家になって本を出す」や「専業作家になる」という意味では、力にならないだろう。もちろん「作家として育ててくれる」も期待できない。

悲しいかな、これが出版社の現状である。

以前、某小説家からプロ小説家デビューしたいなら出版社へ持ち込みするなと聞いた。かつては有効だったし、今でも使えない手ではない。しかしこれからを考えると、賢い手とは言えないだろう。

どうすれば小説家デビューできるか

書店で「話題の書籍コーナー」を観察すると「ネット発」という言葉をよく見る。「4000万PV獲得した」や「Twitterでバズった」という文言も見るだろう。作家のデビュー経緯も、公募ではなく小説投稿プラットフォームが多い。

今や書籍→ネットではなく「ネットで流行したものが書籍化される」が主流なのだ。

編集者は小説投稿プラットフォームをチェックし、人気のものや自社の読者層に合う作品に書籍化オファーしているそうだ。

すでにネットでの評判を見られるので、ある程度の売り上げが見込める。全く無名の新人作家の本よりは、ネット人気の高い作品の方が売れる可能性が高いだろう。

ウェブ小説はチャンスが多い

「小説家という肩書が欲しい」「デビューするだけ」だったら、紙媒体でも問題ないだろう。公募に出すといい。

しかし「プロの小説家として活動したい」「自分の本を出版したい」と思うのであれば、ネット小説の方が何倍もチャンスがある。

書籍化チャンスを比較すると、下記の表のようになった。

出版社ネット小説
チャンスの回数 応募時の一回きり 掲載される限り何度も
出版社可否の判断 数名の審査員 見た編集者すべて
検討する出版社 応募先の開催主複数
書籍化される作品 受賞した数本 制限なし

これだけでも、多くのチャンスに恵まれていることがわかるだろう。

それに編集者は「発掘」が好きな人々である。持ち込まれた作品より「俺が見つけた」「面白い作品に出会った」方が、俄然編集者のやる気も起きる。

本当に自作に自信があるなら、信じてオファーを待つ方が得策だ。

これから小説家になるならウェブ小説を書こう

本記事のまとめは、次のとおり。

受賞しても売れる保証のない、作品は書籍化しづらい
ネット小説で人気が出れば、書籍化オファーがかかりやすい

作品を書くことも大事だが、プロ作家としてやっていくなら「書いた後」にも意識を向ける必要がある。出版社に期待できないなら、なおさら作家本人の努力が必要だ。

本記事は私が感銘を受けた部分をまとめた内容なので、不完全でわかりづらい部分があったと思う。それに関しては申し訳ない。もっと詳しく読みたいと思う方は参考書籍をぜひ読んでほしい。

参考図書:ウェブ小説の衝撃 ネット発ヒットコンテンツのしくみ

出版業界を取り巻く状況から、ネット小説のリアルが分かる一冊。ネット小説好きには当たり前の内容かもしれない。しかし私がネット小説に参入するにあたり、大変お世話になった。

数年前の本なので、情報が古い箇所も多少ある。しかし本書の傾向はより顕著になっていくはずだ。

「小説家になる方法には持ち込みor公募しかない!」と思っている人は知らないとマズイ。無駄な方向に頑張らないためにも、早めに読むことをオススメする。

宮本くみこ
ライター
小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる