出版社に持ち込みして、直接担当者に作品を読んでもらおう!
自分の作品に合う公募がない時、考えるのが出版社への持ち込み。プロから直接アドバイスをもらったり「もしかしたら才能を認められるかも!」と期待に胸躍らせるでしょう。
結論から言うと、プロになりたいなら絶対に持ち込みしないでください。
本記事では、出版社への小説持ち込みについて解説していきます。
ただし従来の「小説家になる方法」は今後通用しないかもしれないです。「受賞できる気しない」と思っている人は、こちらの記事が参考にしてみてください。
多くの出版社が小説の持ち込みは受け付けていない
多くの出版社が、小説の持ち込みを受け付けていません。また、持ち込みOKだとしても、公募に出すべきです。
あなたが真剣にプロ小説家として活動していきたいなら、絶対に持ち込みしないでください。
小説持ち込みのデメリット
小説持ち込みのデメリットは、次の3つです。
- 読まれない
- 編集者に嫌われる
- 受賞してない作品は売れない
一つずつ見ていきましょう。
読まれない
出版社に持ち込みしても、ほぼ読まれません。
すぐ読めたり需要の多い漫画に比べ、小説は読むのに時間がかかります。見てすぐ作品の良否は判断しづらいでしょう。
「編集者が受け取って、後で読んでくれたら」と願うのも、望みが薄い。
編集者は多忙で、素人の下手な作品を読む時間がありません。それに選考しなきゃいけない賞と違い、編集者には持ち込まれた作品を読む理由がないのです。
いくら遠方から出版社に来たとしても、読まれずに終わるでしょう。
編集者に嫌われる
いきなりの持ち込みは、編集者に嫌われます。
多くの出版社が「持ち込みではなく、公募に出してほしい」とホームページに書いています。それなのに無視して作品を持ち込まれては、迷惑ですよね。
「常識のない人」もしくは「ホームページしっかり読んでない人」だと編集社は思うでしょう。
編集者は、あなたを引き上げてくれる神様ではなく、将来的なビジネスパートナーになる人です。出版社は、将来的な取引先です。そんな相手の都合を無視する人間とは、一緒に仕事をしたいと思わないでしょう。
許可のない持ち込みは、出版社に嫌われます。自己都合による持ち込みは慎みましょう。
受賞してない作品は売れない
持ち込み最大のデメリットは、無名作家としてデビューすることです。
仮に持ち込みをし、読まれ、プロデビューしたとします。そして著作が販売されました。何も受賞してない新人作家の、特に目新しくもない本が売れると思いますか?
もし同じ境遇の作家がいて、あなたがお客さんだった場合、多分買わないでしょう。「賞も取れないような作家」とレッテルを貼るかもしれませんね。
作家として注目されるには、受賞が一番の宣伝になります。
特にデビュー&新人賞は、1回しかチャンスがない。作家人生の第一歩を順調に歩むためにも、公募での作家デビューを目指しましょう。
どうしても小説を持ち込みしたい人へ
中には「デビューなんかどうでもいい!」「とにかくプロに読まれたい!」というだけの人もいるかもしれません。
ここからは、読んでもらうことがメインの人に知ってほしい情報をシェアしていきます。
持ち込み可な出版社は、自費出版の会社が多い
持ち込みしたことで、自費出版のオファーをされるかもしれません。
時々、持ち込みOKな会社がありますが、大抵が自費出版の会社。
あなたの書きたい熱意・本を出したい熱意を利用し、出版オファーをするでしょう。
出版社からの好評に「自分には才能がある!」と有頂天になるかもしれません。
しかし自費出版社の講評は、ほぼリップサービス。お客さんである著者が気持ちよくお金を払ってくれるように、一切あなたを否定しないでしょう。
自費出版の会社なら、確かにしっかり読んでくれます。しかしプロデビューやろくな講評は期待できません。
持ち込む前に出版社を調べることが肝心です。さもないと、高額な自費出版のオファーを受けます。
自費出版の相場を知りたい人は、こちらをご参加ください。
→自費出版の相場はいくら?高額な費用の理由もお伝えします
出版社に電話で問い合わせする
どうしても持ち込みしたい人は、事前に出版社へ電話確認するとよいでしょう。
私個人の話で恐縮ですが、時々「見てください!」と、メールで勝手に作品を送りつけてくる人がいます。
私だって、できればしっかり読んであげたいです。でも忙しい。有料ですべき他の仕事があるんですよね。また、私の都合は完全無視で送られてくるので、悲しくなります。
出版社にメールで送るにしても、せめて許可は取りましょう。もらった方は無視or押しつけ合って誰も読まない、そんな状況に陥りそうです。
ただし、電話する前に各社ホームページを確認すること。「持ち込みNG/公募のみ」と明記されていたら、すっぱり諦める。書いてなければ確認のため、電話で聞くのがよいでしょう。
ただし、あなたが電話することは、編集者の貴重な時間を奪うことになります。歓迎される行為ではないでしょう。その点を理解の上、自己責任で行ってくださいね。
小説の添削指導を利用する
ただプロに読んで欲しいだけなら、有料の添削指導サービスを利用した方がよいでしょう。
お金を払っているので、必ず講評をくれます。
書き手としての小説家、様々なジャンルに携わった編集者、ホラーやミステリ等のジャンルに特化したプロetc…様々な講師がいるので、自分の知りたいことに合った講師を選んでください。
ネックなのが費用。長編だと高額になることも。
しかし、読むにも時間がかかる。読んでいる時間は他の仕事ができず、講師は稼ぐ機会を失っているのです。
かつて私が60分脚本の添削をした時、15時間かかりました。時給1000円なら、1万5千円です。本気で読むと、それくらいの時間も費用もかかります。
プロに小説を読んで欲しい人は、添削指導サービスを利用しましょう。逆に支払えないような作品クオリティなら、持ち込みしても無駄になりそうです。
小説の持ち込みは歓迎されない
本記事のまとめは、次の通りです。
- 多くの出版社で小説の持ち込みを受け付けていない
- 持ち込みでのデビューは、作家として損をする
- 自費出版の会社に持っていくと、自費出版のオファーが来る
同じ文字作品でも、漫画プロットの持ち込みなら、読んでくれることがあるようです。知人はプロットの持ち込みで、漫画原作としてデビューしました。
しかし多くの持ち込みが、作者の自己都合。編集者から嫌われる行為ですので、本気でプロを目指す人は公募に出してくださいね。
ただし従来の「小説家になる方法」は今後通用しないかもしれないです。「受賞できる気しない」と思っている人は、こちらの記事が参考にしてみてください。
推薦図書:小説家になって億を稼ごう
ベストセラー作家が書いた衝撃の一冊。「デビュー前に知るべき情報」が詰まってます。本気で持ち込みしようと思っている人は、事前に読んでおきましょう。