創作が楽になる「物語の型」とは|メリット&デメリット

楽に物語を作る方法ってない?

アイデアはあるのに、うまく形にできない。そんな時は、物語の型を使うのがオススメ。型に当てはめることで、物語の欠点を発見できるでしょう。

本記事では、物語の型についてご説明します。

目次

物語の型とは

物語の型とは、「面白くなる物語の公式」です。

物語の型を使うことで、読者を強く惹きつけることができます。

物語の型は、複数あります。本当に使える「物語の型」5選|参考書籍とおすすめ度付で紹介しているので、興味ある人はご参照ください。

参考:物語の類型とは違う

似たものに「物語の類型」があります。しかし型と類型は別物。物語の類型は、分類ベースです。

用途が異なるので、混同しないように注意しましょう。

物語の型はどんな話か

複数ある物語の型ですが、大まかな内容は共通しています。
そこで物語の型のベースとなる話を、ギュッと要約してテンプレートにしました。

大まかな内容は、次の通りです。

『とあるところ』にいる『どんな』『主人公』は、ある日『冒険』しなければいけなくなる。『行くか』迷った末に、主人公は『旅立つ』決意をする。

『小さな勝利』と『敗北』を繰り返しながら、ゴールへと近づく主人公。ようやく『勝った!』と思ったけど、それは『見せかけのゴール』だった。

一気にどん底へ落ちる主人公。『苦悩』するが、『打開策』を見つける。そして『最終決戦』へと挑み、『決着』がつく。その時主人公は、『何か』を手にしている。

物語の型の使い方

上記『』に具体的な内容を入れると、それだけでざっくりとした構成が作れます。

細かい構成が作りたい人は、各型を使ってください。

また、公募に出す梗概作りに役立ちます。
公募で注目される梗概の書き方【テンプレート有】小説、脚本で紹介しているので、ご参照ください。

物語の型を使うメリット

物語の型を使うメリットは、次の3つです。

  • 物語に足りない部分を発見しやすくなる
  • 面白くなる
  • 最後まで物語を作れる

「アイデアはあるけど、断片的」という人は多いのではないでしょうか。

そういう時は、アイデアを物語の型に当てはめましょう。足りない箇所が発見しやすいです。

閃いたアイデアが冒頭なのかラストなのかで、どこを作ればいいかが理解できますね。

また、盛り上がりが足りない箇所を補えば、物語はより面白くなります。

逆に型を埋められないようなら、書き出すには早い。遅かれ早かれ、同じ箇所で行き詰るでしょう。

熟考してから書き出すことで、スムーズな作品作りが可能ですよ。

物語の型を使うデメリット

物語の型を使うデメリットはありません。しかし次のような誤解が多いですね。

よくある誤解について、一つずつ回答していきます。

物語の型を使うべきか

あなたが嫌なら、使う必要はありません。ただ知っておいた方はいいですね。
使うかどうかは、学んだ上で決めるとよいでしょう。

あなたが苦心して生み出した物語。型通りだったら嫌じゃないですか?
知らないと、このような事態が起こります。

せっかく先人たちが苦心して見つけた法則です。使わない手はないでしょう。それに知っても、損はありませんしね。

だからまずは学ぶ。その上で、使うかどうか決めるとよいでしょう。

型通りにすべきか

もしあなたの作品が型通りにならないなら、型を無視して構いません。

すべてを型通りにする必要なし。むしろ優先すべきは主人公の感情なので、感情的にそぐわないようなら、型は無視しましょう。

しかし、最初は型通りに書いた方がいいですね。

大まかな流れを変えないようにすれば、大きな崩れは起きないでしょう。細部は変えてOKです。

型を使っていると、「ここは変えていいな」というポイントがわかります。

まずは型の体得を目指して、作品作りを心がけましょう。

物語の型を使えば面白くなるか

物語の型はあくまで公式。使ったからといって、必ず面白い作品になるとは限りません。

ただ面白い話には、共通して「一定の流れ」があります。

その流れを使えば、あなたの話も面白くなる可能性大。抵抗がないなら、使った方が良いでしょう。

独創性が消えないか

自分のオリジナリティを重視したい!」という人も多いでしょう。
型を使うことで、物語がテンプレ化することを恐れる心配をするかもしれませんね。

しかし型を使うことで、読者が理解しやすくなります。

物語の型は、いわば「万人受けする鉄板」のようなもの。多くの人が熱中しやすく、興味を持ちやすい流れなのです。

それに物語の型を使っても、オリジナリティは出せます。内容で勝負すればいいのですから。

スターウォーズとジョーズ、同じ物語に見えますか? 多くの人が「別物」と答えるでしょう。しかし同じ三幕構成で作られています。

アイデアが変われば、内容も変わる。内容が変われば、物語は大きく変わります。
オリジナリティは、中身で出すようにしましょう。

物語の型の学び方

物語の型は、複数あります。まずは何か一つ学んでみてください。本当に使える「物語の型」5選|参考書籍とおすすめ度付で、合う型を探すとよいでしょう。

型は、知っただけで使えるものではありません。体で感覚を掴むことが重要です。

まずは自分の作品を書かず、既存作品を分析するのがオススメ。
映画を見て、物語の型に当てはめてみましょう。

映画分析のコツは映画脚本の分析方法|名作から構成&テクニックを学ぶにはで学べます。

梗概を作るのも手。公募で注目される梗概の書き方【テンプレート有】小説、脚本に例題を書いたので、あなたなりに作ってみてください。

型の感覚を掴めば、作品分析にも作品作りにも役立ちます。まずは映画を2~3本、真剣に見てくださいね。

物語の型で物語作りが加速する!

本記事のまとめは、次の通りです。

  • 物語の型を使えば作品作りが楽になる
  • 物語の型を使うと面白い作品になりやすい
  • 物語の型を使ってもオリジナリティは消えない

物語の型自体はシンプルなのですが、感覚を掴むのに時間がかかるでしょう。

しかし一度身につくと、漫画やアニメを見ても自然と分析できるようになります。
まずは修行だと思って、感覚を掴む練習をしてくださいね。

推薦図書:物語の法則

最も王道な物語の型、「神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)」が学べます。読みにくい本が多いですが、本書はわかりやすいのにサクッと読める。キャラ作りにも役立つので、入門書に最適です。

宮本くみこ
ライター
小説・シナリオ・エンタメを愛しています。小説書けずに苦節20年→脚本修行のため公務員辞めて上京→なんか違うと絶望→小説の真髄発見。普段は占いライターしながら小説・シナリオを書いてます。目標は国際アンデルセン賞受賞。「私自身が最高の物語」と自負してます。
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