ゲームシナリオを学び始めて一週間。
少しずつですが、独特な特徴や小説やシナリオとの違いが見えてきました。
本記事では、ゲームシナリオの特徴をご紹介します。
ゲームシナリオの特徴
ゲームシナリオの特徴は、次のとおりです。
- プレイしない限り読めない
- 物語を巻き戻せない
- プレイヤーに選択させる
- 読まないユーザーがいる
- 一度に表示できる文字数
- ゲームシナリオを使った演出
プレイしない限り読めない
ゲームはプレイヤーが能動的にならないと、楽しめない娯楽です。
なぜなら、ユーザーがプレイしない限り、ゲームは楽しめないから。
勝手に流れてくる映像作品や気軽に開ける本と違い、ユーザーはゲーム機とにらめっこする必要があります。
「このゲームをやりたい!」と思わせる魅力が、ゲームには必要なのです。
また、クリアにも時間がかかります。
次のプレイまでに時間が経ったり、他の娯楽を優先してプレイしなくなるかもしれません。
「またやりたい」「最後まで楽しみたい」と思わせる魅力が、ゲームシナリオには必要なのです。
物語を巻き戻せない
ゲームシナリオ最大の難点は、物語を巻き戻せないこと。
読み飛ばしたり忘れた場合、もう一度見ることができません。
だから重要なことは繰り返したり、次の行動を明確にする必要があります。
前述したように、ゲームクリアには時間がかかります。
時間が空いても物語を忘れないような仕組みが、ゲームシナリオには必要なのです。
※メニューやマップに目的地を指示するなど、他要素でリカバリーはできます。ただ「今何しているんだろう?」と物語を忘れた時は、シナリオでリカバリーするしかないでしょう。
プレイヤーに選択させる
ゲームには「シナリオの分岐」があります。プレイヤーの選んだ選択肢によって、物語や行動が変わることです。
ゲームのジャンル次第ですが、「シナリオの分岐」は他媒体にない概念です。
また、どちらを選んでも同じなのに、わざわざ選択肢が出てくることがありますよね。
これらは「プレイヤーに選ばせる」ため。
能動的に物語に関わることで、より自分好みの物語を体験できるでしょう。
選択肢によって物語に干渉できるのは、ゲームシナリオだけの特権です。
読まないユーザーがいる
ユーザーの中には、セリフをちゃんと読まない人がいます。
ユーザーがゲームに求めるものは、人それぞれ。
「純粋に戦闘が楽しみたい」と思う人なら、セリフを飛ばしても仕方ないです。
また、長いプレイ時間のため、途中で物語を忘れることがあります。
ちゃんと読んでなくても(又は途中から見ても)物語を理解できるような明確さがあると、楽しみやすいでしょう。
「読まれない前提」「うろ覚えでも楽しめる状態」で書いた方がよさそうですね。
一度に表示できる文字数
書式上で一番気を付けることは、ウインドウに表示できる文字数でしょう。
ゲームキャラクターのセリフやモノローグは、ウインドウに表示されます。
ウインドウには「縦×横」の文字数が決まっており、一度に表示できる情報が限られます。
セリフが「表示される」のは、ゲームシナリオ特有の現象でしょう。
映像作品のセリフは、表示される機会が少ないですからね。
区切りが悪いと、変なところでセリフが切れます。
次のセリフを表示しない限り、続きは見れません。
上記イラストを見ると、右側はセリフが途切れてますよね。
- 一度の表示でどこまで見せるか
- どの言葉を使えば、文字数内に収まるか
ゲームシナリオは、表示できる文字数上限を意識する必要があります。
ゲームシナリオ以外を使った演出
ゲームには、シナリオ以外で物語・キャラクターを表現する手段があります。
- アニメ
- イラスト
- ボイス
- ゲームシステムパラメータ
- スキルや特殊能力
ゲームを構成するものは、すべてを利用できます。
ゲームの面白いところは、上記が作品ごとに大きく異なるところ。
たとえば、ラジオドラマなら「音楽・声・効果音」と構成する要素が決まっています。
クオリティに差こそあれ、構成要素はどのジャンルでも変わりません。
しかしゲームは、作品ごとにバラバラ。
アニメ重視の作品もあれば、キャラクターボイスなしの作品も。
イラストも立ち絵からドット絵(取扱説明書にしかキチンとした絵が出てこない)もありますよね。
他部署との連携が必要でしょうが、シナリオ以外からも多くを表現することができます。
ゲームシナリオは、ジャンルによって全然違う
ゲームシナリオは、ジャンルによって内容がまったく異なります。
シナリオ重視作品もあれば、添え物程度で十分な作品も。
プレイヤーや制作陣の意図に添えるよう、ジャンルごとの特徴を分析しておくとよいでしょう。
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